第2話 テンプレを成すためには力が必要
僕が生まれた場所はガーゼラッド王国
そこの王家の6男としてこれから生活していくのだ
6男なんていかにもテンプレっぽいところが素晴らしい
そんな僕だが今は偉大な先達たちのように魔力の操作性を向上させるため日々特訓している
生まれた瞬間から7年の時を経て1秒たりとも欠かしてはいないため僕の魔力量は既に並の魔術師の50人分に匹敵する
大人になってからでも伸びはするらしいが幼少期の方が格段に伸びるらしい
うーん素晴らしきご都合テンプレ
まさにここは理想の世界だ
「ライル様!ライル様!話を聞いておりますか!?」
「う、うんゼニカ、ごめんなさい。」
「全く、今日は分かるまでやりますからね!それまで剣に触れるのも禁止ですよ!」
「そ、それだけは!僕頑張るよ!」
今僕は教育係のゼニカからこの国の歴史や周辺国の成り立ち、その他諸々の座学を学んでいる
本当は魔力もない実力も人望もない無能な第6王子として振る舞おうかなとか思ってたんだけど、それはまた別の機会にってことで至って平凡なモブを演じている
まぁ第6王子がモブかって言われると違うのだろうけど
そうして月日が経ち15歳になったある日、僕は隣国のイニアス王国の学園に留学することになった
なんでも国同士が仲良くしていますよアピールのために度々王族の交換留学が行われているようなのだ
そして僕にとっては念願のやりたいテンプレリスト上位にランクインするあれをやる機会なのだ
「えー本日から入学する諸君、私がこの学園の学長を務めるエラインデ・ネーノである。
君たちが祖国のため自身のために実力を研鑽することを期待する。」
手続きのなんやかんやがあって僕は無事ここケニオス学園に入学した
ここにはガーゼラッド王家第6王子としてきているためあまり目立ったことはできない
そのため入学する話を聞いた時に開発したある魔法の出番だ
「創世魔法・ミラーズ『ライル』」
目の前に魔力の渦が集まりだしやがて収まるとそこには僕に瓜二つの姿があった
そして更に
「幻惑魔法・フェイク」「究極極限魔法・ワールドオーバーフェイク」「魂魄魔法・ソウルパペット」
これで僕がするべきことの土台を整えた
姿形はいかにも見窄らしい平民
平民は無能であるという概念を植え付け、その身体を僕が動かす
今から僕らがするのはそう
「『無能な平民が虐められてある時急に覚醒しちゃうぞごっこ!!』」
これが‼︎これをやりたかったのだ!
ちなみに今僕ともう1人の僕で喋ったのだ
『僕がガーゼラッド王家第6王子として平凡モブを演じ』
「僕は無能な平凡を演じる」
さぁ見せてやろう
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