【十二歳】
幻視は確実に姿を現し始めた。
私は母が見えたので声をかけると、それに母も反応を示すような素振りを見せるが、その母は突然フッと消えてしまう。
せっかく幻聴に慣れてきたのに、姿まで見えてしまうのでは対応のしようがなかった。
今まで何とか我慢していた父であったが、流石に気の違った娘を
母は最後まで反対したが、その抵抗も
せめてもの
いずれ私のことを理解し、一生涯守ってくれる人が現れることを願っての『贈り物』だった。
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