【十歳】
私は幻聴との付き合いにも慣れてきて、どんな声でも必ずその存在を確認してから対応できるようになった。
自宅では相変わらず軟禁状態が続いていたが、小学校に通うことは認められていた。
しかし、幻聴であるかを確認するために他人よりも一歩遅れて反応するので、姉たちや小学校の同級生には鈍臭い奴だと馬鹿にされていた。
そしてこの頃、再び転機が訪れ始めた。
幻聴に加えて、次は『幻視』の
完全に見える訳では無いが、気配がするのでうっかり何もない場所に向かって話をしてしまう事が再び増えてきてしまった。
孤独で話し相手のいなかった私にとっては、新たな話し相手ができたとも取れた。
しかし、その代償にまた周りから人が離れていってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます