第4話 禁断への坂道

 最初に異変に気付いたのはカレだった。


 うなじの血管が見えると言うのだ。


 カレはいつも私のカラダを褒めてくれるので肌の白さを大げさに表現してくれているのかと思っていたのだが……



 お風呂上りに何気なく鏡を覗いてギョッ!とした。


 バスタオルを巻いたまま急いで部屋に戻り、ドアにカギを掛けてから、鏡やスマホを駆使し自分の体を調べてみると所々皮膚が透けて見える。


 怖くなってとにかく雪輝茸を摂取するのを止めたのだが、一日も経たないうちに、あの味が恋しくて思わず冷蔵庫を開け、生のままスプーンで掬って口へ運ぶと涙が流れるほどの美味しさ!!


 瞬く間にタッパーの半分を平らげ、青くなって牛乳を投入!


 しかし驚いた事に1時間後にはタッパーの中は仕上げたばかりのスケートリンクの様に雪輝茸が艶やかに光っている……


 いくら食べても減らない“禁断”に、私は止まる事が出来なくなっていた。

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