第3話 素晴らしい糸
この1本の糸はとても素晴らしいものだった。
雪輝茸のタネを混ぜた牛乳を大き目のタッパーに入れて冷蔵庫に1週間程置いておくとセリーや寒天の様に固まる。
それを必要量だけカットして取り出し、減った分だけ牛乳を足してまた冷蔵庫へ、カットした物は90℃程度の高温で蒸し上げて完成。
そのまま食しても、冷蔵庫で冷やしても……とにかく美味しい!!
しかし、この雪輝茸の真の価値はその味ではなく、絶大な美肌効果にある!!
私のザラザラと真っ黒だった肌は瞬く間に白く艶やかに変化をとげ、半年後のクリスマスイヴには透けるような肌をほんのりピンクに染めて、オトコの子と初キッスをした。
そう!私はすっかり生まれ変わったのだ!!
こんな嬉しい事は無い!!
この素晴らしい“糸”を私に与えてくれたNPO法人日本雪輝茸協会の活動原理はただ一つ!
雪輝茸の生まれ故郷である、チベット自治区の人と自然、文化遺産を迫害の手から少しでも守る事!!
私は、受験勉強の息抜き程度にやったバイトや親や親せきからいただいたお年玉を惜しみなくNPOに寄付した。
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