【エクストラ】残骸

地上も地下も水中も果ては雲の上さえも、終末を迎えた世界でドス黒く淀んだ雲の間から見える陽光を頼りにビークルを乗り進める1人の少年と一機のロボットが居た。


「ん?」


前方に何か見付けたロボットがビークルを停車させる。


降りてその何かを確認した少年がロボットに聞く。


「このロボットもう随分朽ちてしまってるけど貴方にとても似ているね、動機体か何か?」


「どうでしょう?特に心当たりはありませんね」


「そっか、流石にこんなにボロボロじゃ使い道も無いだろうし…もう行こうか」


走り去って行くビークルの起こした風により、朽ちたロボットに掛かっていた埃が舞う。


機能を停止して尚、朽ちた片腕には酷く錆びた電工ナイフが、硬く握りしめられていた。


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