第12話
それでも河合くんは彼らと上手くやっていた、というか少なくとも彼らを相手にしていないようだったのに。
「…お前さぁ、松岡たちに悪口言われてたの、知ってる?」
「え?」
「『河合に優しくしてんのはいい人ぶりたいからだろ』とか『偽善だろ』とか…とか」
それは正直松岡たちだけじゃない。
一部のきつい女子からだってちくりと言われたことがある。
「…でも事実だよ」
「え林、」
「だって河合くんにいい人って思われたいから全部やってることだもん」
掃除を手伝うことも、提出物を一緒に届けてあげることも。
誰にどう思われたって構わないけど、河合くんにいい人って思われたいからやって来たことで。
「…ふぅん」
私の言葉をどう捉えたか椎は曖昧な相槌を打って小さく続けた。
「それじゃ河合が怒ったのは無駄だったな」
「…河合くんが?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます