第6話

「うーわ寒っ」



お肉屋さんのコロッケを片手に3人、防波堤の上を歩く。



紙包みを手にする指先が赤くなってじんじんする。



今日は風がないとはいえ、さすがに放課後のこの時間帯の水辺は冷えた。



「分かってたことだろうがよ、なんでここに来たんだよ」



ぼそぼそと愚痴を吐くものの椎はちゃんと私の後ろをついて来る。



「青春ぽいからだよ当然だよ」



「なにお前青春ごっこが趣味なの?」



「椎は今日用事があるんでしょ、帰っていいよ」



「もう遅いわボケ」



青年は更にその後ろをゆっくりとついて来る河合くんの方を時々振り返っては彼の存在を確認して。



「河合のあの引率者みたいな歩き方どうにかならないの?」



「引率者みたいな歩き方ってなに」



文句を言っているようでちょっと楽しそうな椎、タケ。



ひき肉入りのコロッケを口に運びながら彼はふんっと鼻を鳴らした。

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