第4話
嘲笑するような顔で去っていく椎の肩をガシッと掴んで引きとめた。
「全然邪魔じゃないよ、見なよ、二人で掃除してんだよ、椎も混ざろうよ」
早口且つ端的に言葉を発すると椎はこちらを振り返って「あぁん?」とガラの悪い声を出す。
「俺今から用事あるんだけど」
「フラれたくせに」
「…は?」
「椎ってば最近ちょっと酒向さんにフラれてしかも席が隣同士のままで気まずくてヤキモキしてるからって、私と河合くんが二人で掃除頑張ってるところを見捨てて行くんだ?」
「ちょ、なんで知ってんだよ!!!」
「クラスの人みんな知ってるよ馬鹿じゃないの!
椎の好き好き光線バレバレなんだよ!ずっと前からバレてるよ!酒向さんも今ちょっと気まずそうだからみんな全力で気ぃ遣ってるんだよ!!」
「好き好き光線とか出してねぇよ!!!」
「タケ掃除手伝って!」
「分かったわその呼び方で呼ぶな!」
息を切らした椎は観念したように肩を落として河合くんからほうきを受け取る。
「…ここ掃いたらいいの?」
くすくすと笑いながら返事をしない河合くんに椎は威嚇した。
「笑うなって!」
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