第4話

そのまま静かにその封筒を受け取る。


その瞬間から

僕たちの週一の"ごっこ"が始まるんだ。



松下さんはにっこりと笑うと

肩にかけた鞄を床に落として僕の首に腕を回した。




「松下さん大胆」



小さく呟くと

彼女が視線を合わせてふくれたように答える。



「今からは"真紀"でしょ?」



頬を膨らませた彼女の腰を抱いて引き寄せた。



「そうだね、ごめん真紀」





あの頃にはありえなかった。


彼女が今僕の腕の中にいる。




…笑える。




「…真紀は俺のどこが好きなの?」



「なに今更?……んーっとねぇ…

その栗色の髪とー綺麗な茶色の目とー高い鼻とぉー、

あと勉強も運動もできて、みんなに人気なところ!」



なんとも彼女らしい返答だと思った。

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