ーー裏切りの岐路ーー
ーー運命の七連星、それは神の基軸であり人を導く者。
|迷針樹林(メイシンジュリン)を突破した先にあったのは赤ちゃんが道を行き交う街ーー|赤邪街道(ベイビル・ロード) 。
こんな街あったっけ......。
ヴァレナは訝しみ思い返す。
かつて人間達が普通に暮らしていたはず......。
ヴァレナは激昂し赤ちゃんへと姿を変え本能の求めるままに相対する。
母なる神 ハレトアに苦戦しながらも何とか撃破した。
ヴァレナは静かにその場を立ち去るーー
「......騙されているとも知らずに 哀れね」
その言葉が、頭の中で渦巻く。
ヴァレナは一瞬足を止め、背後を振り返りそうになるが、意地でその感覚を無視し、前に進む。
「そんなこと...... あるわけないだろう」
自身に言い聞かせ、足を動かし続ける。
セウォルツに早く会いたい。
そう心の中で繰り返し、再び歩みを進めるヴァレナ。
だが、次の瞬間、疲れと不安が彼を一瞬、立ち止まらせた。
「......何だろう 何か、引っかかる」
その違和感が、彼の心を捉えて離さない。
ーー場面は|永氷皇土(アイス・ロード)の宮殿へと移るーー
「坊ちゃま...... どうかご無事で......」
フレイストは一室で静かに祈りを捧げていた。
目の前には、永遠の氷の中で眠る二人の王が横たわっている。
「王よ...... どうか、お許しください」
冷徹な氷の空気が肌を刺す。
しかし、答えてくれるものは何もなかった。
その時、突然、静寂を破る声が響く。
「やあやあ⭐︎ 可哀想な執事さん⭐︎ 暇してるんなら遊ばないかい?⭐︎」
その声に、フレイストの目が一瞬鋭く光った。
(......その声は、坊ちゃまが無事に赤邪街道を越えた証し......)
だが、すぐに言葉を飲み込む。
声は嘲笑とともに続けた。
「相変わらず呑気だね⭐︎ だからオウサマを守れなかったんだよ⭐︎」
その言葉が、フレイストの胸に刺さる。
瞬間、彼は声を上げた。
「貴様......!! 無礼にも程がある!」
だが、声は嘲笑を残して消えていった。
フレイストは静かに目を閉じ、深い嘆息をもらす。
そのまま遠くを見つめながら、過去の記憶が彼を支配していった。
(......何度、繰り返したのだろう 巨人と小人、二重王国が滅びたのは...... その前も、さらにその前も......)
その時、空から雷鳴が轟いた。
鋭く裂けるような音が響き渡り、目の前に雷光が降り注ぐ。
「やはり...... 来たか」
現れたのは雷神トール、最強の神。
フレイストは一瞬、その姿に凍りつく。
「我、使いとして来た 命題を告げる ヴァレナを討て」
トールの声は冷徹で、圧倒的な威圧感を放っていた。
フレイストはその言葉に凍りつきながらも、必死に訴える。
「お待ちを! ......そちらの者が赤邪街道を突破したことも認識していますが、先にこちらの災厄を取り除くべきではないか!」
「......それはこちらも認識している しかし命題は変わらぬ ヴァレナの殺害だ できぬのであれば...... 後はわかるな......?」
トールはそのままフレイストを一瞥し、再び雷光と共に空へ舞い上がった。
ーー運命の七連星 業星のフレイスト
彼の呪いは、守れなかった者たちの存在によって刻まれたもの。
その業を引きずり、彼はただ祈りを捧げ続ける。
だが、やがてその業が因果を超え、彼の運命を、大いなる神々さえも変えることになるだろうーー
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