第4話 カラオケ
初めてのLINEから1週間、連絡が滞っていた。
なんて連絡しようかと考えていると、通知音が。
『今度、友達とカラオケ行くんだけど一緒にどう?ゆいちゃんも来るよ(笑)』
???
俺が結菜さんのこと好きなのバレてる?
学校では彼女の前でも平然を装っているけど、顔に出てたかな。
確かめたくて返事してみる
『なんで結菜さんなの?(笑)』
するとすぐ、
『君さ、ゆいちゃんのこと好きだよね?じゃないとあんな庇うことしないよ』
違ったらどうするんだよと思いながら
『そのとおりです』
と返事。
『今度の土曜だから。開けといてね』
『了解』
なんか順調に進みすぎではないか?
まあいいや。
そしてその日はやってきた。
自転車で隣町のカラオケ屋さんまで走る。
この中学生用のヘルメットが懐かしい。
『おはよー』
とクラスメイトの声。
彼女と女子2人、男子1人が店の前で待っていた。
『あとはゆいちゃんだけだね』
何気に思春期後の結菜さんの私服姿は初めてだ。
どきどきしながらスマホを見ていると、
『お待たせ。遅くなってごめんね』
と韓国風ファッションに身を包んだ美少女がこちらを見ていた。
『ゆいちゃん!その服似合ってる!!ねっ晴哉くんもそう思うでしょ』
バカ!!話を振ってくんなよ!
と彼女に感謝しつつ、
うん、とだけ頷いた。
『じゃあ私から歌うね!!』
クラスメイトは流行りのJPOPを歌い出した。少し独特な歌い方というか、聴くのがしんどかった。
『次は俺な』
そう言って男子が邦ロックを歌った。
正直、普通にうまくて少し憎かった。
『上手いね』
『ありがとな。お前も歌えよ』
『私も晴哉くんの歌聞きたいな。ねっゆいちゃん』
『えっ、うん、聞きたい』
ここはアニソンを、と思ったけど結菜さんの趣味嗜好からして流行りのあの曲歌ったほうがよさそうだな。
曲を入れてマイクを持つ。歌は得意だけど、好きな人の前で歌うのは緊張するな。
♫ ♫ ♫
『晴哉、上手!』
真っ先に結菜さんの声が聞こえた。
『私も歌っていいかな』
もちろん俺は彼女にマイクを渡す。
KPOPの日本語バージョンの曲を予約していた。
♫ ♫ ♫
彼女の歌は耳がとろけてしまうような甘い歌声だった。
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