第2話 久々の会話
どうやら3年前の中学1年生に戻ってしまったようだ。
当たり前だが、未来を公言しようとすると意識が遠くなって倒れてしまう。
まあ、そんなことはどうでもいい。
俺のしたいことはただ1つ
結菜さんに告白する!
投稿時刻になると中学時代の友達が家の前にいた。
『早く行こうぜ〜』
その友達は高校が違うので久しぶりに顔を見た。
懐かしいな
俺たちは急いで学校に向かった。
チャイムギリギリに着席し担任が注意する。
少し幼いクラスメイトとどう関わっていいのか戸惑いつつ、朝礼を終えた。
1時間目は体育だった。
更衣室へ行く途中に結菜さんとすれ違った。
どきどきしながら彼女のクラスも合同で体育だったなと思い出し、少し嬉しくなった。
体育館に男女別2列で並んで座った。
たまたま女子列の斜め前に結菜さんが座っていた。まだ中1ながら身体が出来上がっているなと3年間で得た余計な知識を巡らせた。
今日の種目は50メートル走らしい。
体力は当時のままなので普通に走り終え、
次は女子の番だった。
結菜さんは陸上部で足が速いので、みんな注目して見ていた。
その時、ひとりの男子生徒が『本守(結菜さんの名字)ってエロくね?』としゃべりだした。それを聞いた他の生徒と言葉で表したくないほどの結菜さんをはじめとする、女子の下ネタ会話を始めていた。
俺はそれが許せなかった。
『おい』
考えるよりに先に言葉がでてしまった。
『何?』
不機嫌そうに俺を見る奴ら。
『本守さんたちに対して失礼なこと言わないでくれるか。聞いてて不快なんだけど』
すると彼らは舌打ちをして行こうぜとその場を離れた。
やってしまった。
俺は事なかれ主義なのに後で面倒なことになるぞと感じた。
しかし、少しすると女子が数名俺の前に寄ってきた。
『さっきはあいつらを叱ってくれてありがとう』
『スッキリした!!』
『いっつも私たちを変な目で見ててホント腹立つ』
どうやらさっきの会話は女子にも聞こえていたようだ。
まあ、あいつら声でかいからな。
『ゆいちゃん可哀想。あっ、ゆいちゃんお疲れ!晴哉君が、下ネタ野郎にガツンと言ってくれたよ!』
『えっ、そうなの?晴哉、ありがとう』
まさか、結菜さんに軽くでも感謝されるとは!
『あっ、いえいえ。その…』
『はい、みんな走ったので集合!!』
くっそ〜!タイミング悪い!!
まぁ、意図せず結菜さんと話せて嬉しかったな、前回は小6から4年は会話なかったからいい進歩だと思う。
その後の授業はあまり覚えていない。
ずっと結菜さんの感謝の言葉が脳内をぐるぐるしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます