道化の歴史

要想健琉夫

道化の歴史

道化の歴史



 【一 道化との思い出】

 

 俺は何時までたっても、道化師でした。

 

 道化師、その言葉に俺は、強い憧れを持っていました。

人々の為に自分を犠牲にして、笑いを届ける道化師が、――そして、俺も内心ではその道化師に成ってみたい、そう思っていたのかもしれません。

 ですが、俺が彼ら道化師に成るのは、早かった様でした。

 そんな、道化を演じたがっていた、俺のをここに記します。



 【二 道化と僕】

 俺が道化を演じ始めてしまったのは、彼これ小学生頃でした。

道化を演じ始めたのは、詳しく言うと、小学生五年から六年頃だったのですが、それこそ、道化を演じていなかった小学生五年から少し前は、俺は引くほどに純粋で心優しい奴でした。

 彼は彼で、気ままに友達を作ったり、大好きなゲーム等をやったりしていましたが、あの時の彼、基、自分の事を追憶してみると、少々物足りない、日常を送っていたのだと、思います。

彼は彼で、少数の人々から愛され、彼自身満足をしていた筈の日常でしたが、それは先程から、記している通り、小学五年生、その時から彼は今の今までのに変わっていってしまいました、まるで、道化師のように。



 【三 道化の俺】

 小学五年生に上がった頃、卒業までの六年生に少しずつ近づいてきた頃、小学五年生当時は、インターネットゲームがとても、流行っていました。

時代が時代だったお陰でもあったんですが、それは勿論、俺の小学校でも例外では無く、小学校でも低学年、高学年問わず、インターネットゲームが流行っていました。

 そして、インターネットゲームのお陰か、その所為せいかは判りませんが、俺は実に、沢山の友達が、出来ました、それこそ、小学五年生に上がるまでとは、打って変わって、――そんな、俺の少しの人生の中でも最も楽しかったであろう時期の出来た友達を紹介します。

 先ずは、今でも、俺の親友である二人の友、HKです、彼らとは今日こんにちまで関係が続いていて、俺自身、HとKと居る時が、あまりにも楽しく、何よりも落ち着くものでした。

 そして、今は訳あって、絶縁にも等しいほど、疎遠と成ったRに、当時何よりも信頼していたが、こうして、疎遠と成ってしまった、M、それから、当時周りの者がほとんど暴言や当たり散らかしている間、何一つ俺らを咎めたりしなかった、心優しい少年D、そんな仲間に囲まれて、俺は小学五年生を過ごしていました。

 ただ、知っての通り、俺が道化を演じ始めてしまったのは、紛れもなくこの頃だったんです。



 【四 道化と喜劇】

 小学五年生、友達が増えていくにつれて、僕は突如として周りの評価を気にする様な人間に成りました。

今まで大した量の友達も居ませんでしたから、その反動だと思います。

 俺はその頃も今も、プライドが高く意地汚い人間でした、そんな性格だからか、俺は舐められる事、見下される事を徹底的に嫌っていました。

 そんな間に、俺はインターネットなどで見た、陰キャや陽キャと言う、言葉の存在を気にし始める様に、成りました。

無理に作ったテンションで、無理に作ったで、道化の面を被り始めました。

馬鹿にされたくないから、見下されたくないから、暴言を吐かれてたくないから、そんな心持ちで、今思い返してみたら、そんな事を気にしないで良かったのにと、ひしひしと思いますがね。

 そうして、道化の面を被り始めていくと、俺の友達ともたちは、俺を嫌煙していって、俺の事を短気だと言い始めたました。

畢竟ひっきょうそれは事実だったのですが、そんな道化の日々を友達に傍迷惑を掛けながら過ごしていると、小学六年生、卒業式より少し前の時期に、俺の道化の心持ちはズタズタにへし折られました。



 【五 道化の果てに】

 十二月か、一月か二月かのとある日、俺の道化としての日々はとうとう、終わりを迎えました。

終わりを迎えたと言うか、終わらせられたと言った方が良いかもしれませんが、何れも俺は道化師何かには成れませんでした。

 この小説を書いている今でも、小学生時代の道化の歴史は後悔の念しか無い、黒歴史だと、思っています。

しかし、こうも考えられませんか、その歴史があったからこそ、今の自分が居るのだと、俺はどうしようも無い黒歴史を残してきましたが、どうしようも無く嫌われましたが、今もこうして歴史を残し続けていっています。

 物事はやはり捉え方次第で何とか成るのだと思います、それが困難な事だと言う事は重々承知していますが、そんな考え方をしていたら、世の道化達に少しの希望が出来る、そんな気がします。

 そんな、道化を演じた俺の思い出でした。




 (「道化どうけ歴史れきし」―――了)

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