あいつの復讐

「これで、最後の復讐は完了する。あばよ!」

 突然、後ろから声が聞こえた。


 僕は小学校の時いじめられていた。いじめは教科書を隠されるなどといった簡単なことだったけど、幼い僕の心に大きなダメージを与えたんだ。友達がいじめられているのを助けたらいじめられるようになって、助けた友達もいじめに参加してきたらそりゃあそうなるよね。

 でも、小学5年生の時いじめが発覚していじめの主犯者だった渡部は1ヶ月自宅学習だったよ。周りの人は渡部が反省していると思っていたみたいだけど、口調も変わらないし、仕方がなく謝っているように感じた。だからいつか仕返しをしてやるって決めたんだ。

 それから、別の街に引っ越したりと色々あったけど高校2年生の時、父親の仕事の都合でまたあの街に戻ることになった。前住んでいた家が空いていて、帰ってきたなと思った。

 でも、渡部のことも思い出してしまった。だから、渡部に仕返しをする計画を立てたんだ。まず、僕は転校してから渡部以外の人と仲良くして、渡部にだけそっけない対応をしたんだ。元々、コミュニケーションが得意だったからすぐみんなと打ち解けれたよ。僕のことに気づいている人は何人かいたみたいだけど、渡部は全然気づかなかった。

 しばらくして、ある子が

「どうして渡部くんにはそんなにそっけないの?」

 って聞いてきたから。

「僕は小学校の時、渡部くんにいじめられてきたんだよ。渡部くんは本性を隠しているだけなんだ。」

 って答えた。そしたらみんな、渡部と話す機会が減ってきて渡部が怒鳴りつけてしまった。

 そのせいで渡部は孤立するようになってしまった。でも、少しいい気味だと感じてしまった。そしたら、クラスの子が渡部に対していじめを初めてしまったの。でも、少しもかわいそうに感じなかった。むしろ自業自得だと思ったんだ。

 しばらくして、彼は不登校になった。これで仕返しができたと思ってしばらくは平和に過ごしていた。

 でも、早朝に土手を歩いていたら渡部くんに出会って、つい言ってしまったんだ

「どうだいじめられた気持ちは?これが俺をいじめてきた罰だ。自業自得だな」

 って。そのせいで、渡部くんに殴られてたら、周りの人が警察を呼んでしまうし、親に持たされていた録音機のせいで渡部くんが捕まっちゃうし色々大変だった。

 でもしばらくして、渡部くんから謝りたいから学校の屋上に来てくれとメールが来た。

屋上に着いてしばらくすると、渡部くんがやってきて、謝ってくれたんだ。

「すまねぇ。俺が悪かった」

って。僕ほんとに反省してくれたんだなって思ったけど、イタズラ心でつい

「どうしよっかな?」

って言って後ろを見てしまったんだ。でもそれが間違いだった。

「これで、最後の復讐は完了する。あばよ!」

 突然、後ろから声が聞こえた。

僕はびっくりしてからだを捻ってしまったの。そしたら、渡部くんが校庭に落ちていってしまった。僕は驚いた。だって、この間と違ってちゃんと謝ってくれたから反省しているって思っていたし、僕を突き落とそうとするなんて考えてもいなかったから。


「あばよ世界!」彼の声が響いた。

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俺とあいつの復讐 黒猫Y.M @blackcat1224

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