バイロンの頼み
レティシア達が城を抜け出してからアルテナーハ王国の王城ではアーチボルトの調合した秘薬を飲みいくらか体力が戻ったバイロンの元にレティシアの教育係のエリーと新しく王となったセリグと弟のエイダンそしてエルフリードとアーチボルトがレティシア達の事で話し合いをしていた。
「置手紙によればレティシア様とリアナ達はドラゴンの血と聖杯を求めて抜け出したようです。」
「そうか、エリーよ。アーチボルトよ私の命はどのくらい持つか分かるか?」
「はい、バイロン様。薬を飲み続ければ数年ほどは生きられるかと。」
「それだけ生きれれば十分だ。」
「港に通達してレティシア達見つけたらを連れ戻すよう伝令に伝えろ。」
「セリグよ、その必要はない。」
「父上?!どうしてですか!ドラゴンを相手にするなど無謀すぎます!」
「私も自由にさせるべきかと。」
「エルフリード様!貴方はまた!私も無謀だと思います!レティシア様達の命が掛かっているのですよ?!」
「セリグにエリーよ。私は立場上レティシアに王国の為に生きてほしといったがは本当はレティシアには自由に生きて欲しいとも思っているのだ。そしてレティシアが私の為に命がけで冒険に出た事それを非常に嬉しく思っている。レティシアは心優しい子だ、この王国や私達の為なら命を捧げ、各国の王族と結婚しなさいと言えば自分を押し殺して嫁ぐだろう。あの子は常にこの王国と民と私の事を思ってくれた。あの子にはアエリアのように広い世界を生きて欲しい。それにリアナ達もついている。」
「しかし父上。それは王族の務めでもあります。」
「私は身分に関係ない冒険者だったアエリアと結ばれた。セリグよお前には厳しく王の後継ぎとして接してきたがこの国はすでに安定しているし私はもう王ではない。一人の父としてレティシアを送り出すことを許してくれまいか?」
「父上、、、、分かりました。港の船を一隻レティシア達が着いたら提供するように伝えろ。」
「すまぬ、、セリグよ」
「いいえ、父上。私がこの王国の為に生きましょう。」
「兄上、私もおります。」
「礼をいうぞ、、セリグ、エイダン。我が自慢の息子たちよ。」
「バイロン様、私は反対です!!レティシア様もリアナ達も心配です。」
「私の弟子たちであるプリンセスガードの面々は類まれなる才能を秘めている。遥か昔初めて一人でドラゴンを屠った男。ドラゴンスレイヤーとして名を馳せたこの国の英雄ディアスもルーンナイトの称号を持つ騎士だった。リアナだけでなくカイルももリリアンもアルフもそして魔術師のアイリーンも飛びぬけた才能の持ち主だ。下級のドラゴンが相手なら協力しあえば私の弟子たちは打ち倒せると思っている。エリー、私の弟子達を信じて旅をすることに賛成してくれないか?」
「、、、、、分かりました。レティシア様達が港に着いたら定期的に報告を行き来するように伝書鳥を遣わせてください。それが条件です。」
「分かった。手配させよう。しかしエルフリード卿、貴公ほどの騎士がそれほどあの若者達に期待するとはな。」
「あの者達の成長をずっとみてきましたゆえです。」
「そうか、、、卿の話を聞いて私もあの者達とレティシアが父上を治す術を見つけ戻る事に賭けたくなった。」
こうしてバイロン達はリアナ達の旅を許した。港で船と船員が待つことなど旅に出たリアナ達は知る由もなかった。
つづく
プリンセスガード atias @atas
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