第 1 章: 労働組合リーダー、ルウィンの記録



ドキュメント1: 労働組合リーダー、ルウィンの記録

惑星: アルビオン、南部地域

出来事: 商業反乱

対象: アルビオン商業組合リーダー


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記録1

日付: 西暦3995年11月13日


アルビオン商業都市の会議センターより録音開始。この録音を通じて、本組合の会議内容を記録し、また新たなリーダーとして、今後の会議も記録していきます。」

(ルウィンの咳の音)


「本日、西暦3995年11月13日、月曜日、長老的存在である市場代表レトス氏の要請により、緊急会議が召集されました。主な議題は、前リーダーの死去と規則に基づく後任者の選出についてでした。この会議で議論された内容を以下に記録します。」

*(紙をめくる音)*


1. **議題1:** 前リーダーの死因が政府に対する反逆の疑いによる処刑であったため、全ての名前と記録を削除する決定。

結果: 長老メンバーの一部から反対意見が出たものの、政府命令に従い、投票なしで承認されました。


2. 議題2:** 新たなリーダーの任命。

結果:** 私が唯一の立候補者であったため、満場一致で選出されました。他のメンバーの多くは、リーダーの死の頻発に恐怖を感じ、立候補を避けたことが理由です。


3. 議題3:前リーダーの遺産分配。

結果: 前リーダーの家族も処刑されたため、以下の財産が再分配されました。

- 2つの住居:政府が接収。

- 10ヘクタールの果樹園:政府が接収。

- 市場の2店舗:組合員フランコが購入。

- 商品:同業の組合員3人で分配。


「以上の議題が終わり、問題なく会議は終了しました。」


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記録2

日付: 西暦3995年11月20日


この録音は完全には復元できませんでしたが、要約すると、新メンバーの加入と、市内で発生した最近の騒動への懸念が議論されたことが記録されています。


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記録3

日付: 西暦3995年11月27日


「録音開始。本日11月27日(月)は、新たな週次会議の定例化が決まりました。それ以外では、先週議論された問題、すなわち政府高官の甥とよそ者の争いによる騒動についての懸念が再び取り上げられました。」


「この争いで組合員の複数の店舗が破壊されましたが、政府が補償を約束しました。この約束をもって会議は終了しました。」


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記録4 & 5

日付: 西暦3995年12月11日、18日


(詳細は割愛されるも、政府からの支払い未払い問題、都市外の殺人事件、国家転覆の噂、そしてギルゲの名前に関する話題が記録されています。)


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記録6

日付: 西暦3996年1月8日


「録音開始。本日、西暦3996年1月8日(月)、今年の最初の会議が開催されました。昨年の財務記録が確認され、不思議なことに、数ヶ月前から労働者数の減少や未解決の財務問題が浮き彫りとなりました。」


決定事項:

1. クラウスが政府との面会を試みることに。

2. 街周辺の砂地にある謎の穴を補修すること。

3. 労働者不足を政府に報告せず、自ら調査隊を派遣すること。


「以上の議題をもって会議は終了しました。また、ギルゲに関する問題も解決したようです。」


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記録7

日付:西暦3996年1月15日


「クラウスが殺されました……。」

(ルウィンのすすり泣きが録音されている)


「本日の会議は中止されました。」


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記録8

日付: 西暦3996年1月22日


「録音開始。本日、西暦3996年1月22日、会議ではクラウスとギルゲについて議論されました。クラウスがなぜ殺されたのか、遺体が返還されない理由は依然不明です。」


「また、国家転覆の動きが進行中であることが報告されました。噂に上がっていた名前、ギルゲが指導者として関与しているとされています。」


「これにより、組合は『中立を維持する』という先の方針を見直し、行動を慎重に進める決断をしました。」


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記録9 & 10

日付: 西暦3996年1月29日、2月5日


最後の記録では、クラウスの頭部が市場中央で晒されていたこと、そして組合が「アルビオン人民ギルド」と改名し、ギルゲの運動に参加する決断をしたことが示唆されています。この時点からルウィンの記録は、アルビオン人民ギルドの一員として継続されました。


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