第6話 再開!パンとの相性は最高焼きそば君

「今日はこのクラスに転校生が来ます」


朝の会、卵先生が言う。


入学してもう4ヶ月。こんな時期に転校生っか。誰だろう。


(ガラガラガラ)

「ソースが今日も絡むぜ!初めまして皆!俺は屋台学園から引っ越してきた焼きそばだ!」


え、焼きそば君って、小学校まで一緒だったあの……?


「……ってあれ、お前もしかしてコッペ・パンじゃないか!久しぶり俺だよ俺!昔はよく夫婦漫才とかしたよなぁ」


あ、間違いあの焼きそば君だ。


「……」(ジー)


あれ、なんか背後からすごい圧を感じる。

なんでだろう。



朝の会が終わるなり、焼きそば君は私の席の前にやって来る。


「コッペ・パン!会いたかったぜ!あぁ、綺麗になったな」

「えへへ、焼きそば君こそキレが増したよね」

「おい……転校生生意気だぞ」

「あ、ごめんごめんコッペ・パンの友達?」

「そうだ!俺はこいつの大の友達の唐揚げだ」

「か、唐揚げ!?有名な唐揚げか!前通ってた学校でも他校のイケメンとして噂になってたぜ?」

「……やめろよ、照れるだろ」


うーん、この2人はすぐに仲良くなれそうだな。


「あ、ところでコッペ・パンってあの約束……覚えてるか?」

「約束?」


……なんだろ。イチゴ狩りに行く約束だったかな?


「おいおい、忘れたのか?将来俺とお前で焼きそばパンになるって約束」


!?してたっけ。……あー、していたような記憶もある。


「……は!?なんだよそれ!おいコッペ・パンそれマジかよ?」

「えーと……確か。あ、でも!小さい頃だから」

「小さい頃なんて関係ないだろ?少なくとも俺はずっとコッペ・パンのこと好きだったぜ」


うわわ!麺と同じで言葉がストレートだよ。よく恥ずかしげもなく言えるなぁ。


「関係ないかどうか、これはコッペ・パンの意思次第だろ」


唐揚げ君?なんか、怒ってる。


「はっはっ、悪い悪い。久しぶりに会えたらからつい気分が上がっちゃって。唐揚げもコッペ・パンの事好きなんだな!」

「は、はあ!?好きじゃねぇし?別に……別にぃ?けど、お前よりも相性良いと思うけどな!唐揚げとパンだぜ?」

「いやいや、焼きそばとパンの相性の良さ、舐めてもらっちゃ困るね」


あれぇ、なんだか2人ともヒートアップして熱々だぁ。


「コッペ・パンさん〜今朝新鮮なイチゴが取れたのだけどどうかしら〜?」

「え、イチゴ!食べたい食べたい!」


この日、私はイケメン二人よりもイチゴを選ぶ女として学園に名を轟かせたのだった。








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