第4話 オカズとして食べるのは邪道?関西風お好み焼き焼き君
「キャー!唐揚げ君かっこいい!」
「唐揚げ君肉汁かけて!」
ボールを自由自在に動かしフィールドを駆け回る唐揚げ君に茶色い声援が飛び交う。
───本日、私はサッカー部の唐揚げ君の応援に来ています。
時は戻り、1時間前。
「おい、この後にサッカーの試合があるからよ……見に来ないか?」
「いいよ」
「約束な!約束だかんな!」
肉汁を廊下に垂らしながら校庭へと消えて行く唐揚げ君。もう、本当照れ屋なんだから。
「あら〜コッペ・パンちゃんへのお誘いですの!かっこいい所を見せたいのですのね」
「ところでさ、栗きんとんちゃんも一緒にこない?」
「はい、よろこんで。ですの〜」
「マム、着いていきます」
「気持ち悪いから消えて欲しいですの」
「ありがとうございます!」
黒豆君、本当に変わったなぁ。
そうして、私たちが校庭に向かうとそこには2つの軍団が。
「今日こそ、どっちが校庭を支配するか決めるぞ!」
「望むとろやで……ま、負けへんがな」
中央には、唐揚げくんと、お好み焼き君?
なんだか、険悪な雰囲気。
「ねぇ唐揚げ君、これどうしたの!?」
「おうコッペ・パン。俺率いるサッカー部と
「そや!今日があんたらサッカー部にとって最後の校庭や!」
「はっ、それはこっちのセリフだ」
「分け合えばいいのに……」
「敷地がせまいから互いの球が邪魔しあう事がよくあってよく喧嘩になったんだよ。だからいっその事どっちかが明け渡すことになったんだ」
「そや、まぁ……サッカー部だけだとコートが余るやろうけど」
「ふざけんな!1面使ってやるっての!」
あぁもう!どうして男子ってすぐ喧嘩になるの!
「まぁ、そんなことでこれから試合やるんであんたらも応援席いきぃな。かっこいいとこ、見せたるわ」
「はぁ!?ふざこけんな!俺のがかっけぇから!」
そんなことで、サッカーバトルと野球バトルを行い、どっちの方がより高い点数を取るかの勝負が始まりました。
ちなみに、野球バトルでは3対7で野球チームの圧勝。
サッカー側は、30分の試合で少なくとも5点を取らないと勝てない状況です。
「まずは1点だ!」
「くそっ……野球よりもデケェ球なのに取れないなんて」
野球チームの大判焼き君、すごい悔しがっている。
それにしても前半1分で1点決めるなんて唐揚げ君ってすごい!
「気ぃ引き締めな!球を見んのはこっちも得意や!まだまだこっちの勝ちなんやから自信もっていこやぁ!」
『『おーー!』』
すごい、お好み焼き君の一言で相手チームの空気が変わった。
「うぉぉぉ!カリットスクリュー!」
「ビッグハンド!」
「凄いですわぁ〜超次元サッカーですのぉ」
栗きんとんちゃんの言う通り。すごい技のぶつかり合いだ!けど唐揚げ君のボールは止められていない。……熱すぎる試合だよ!暑すぎて焦げちゃうよ!
「強いなぁ。けど玉蹴りのやり方少し分かってきたわ!お前らフォーメーションC『米と豚玉』や!」
フォーメーションC!?一体何が起こるの……?
あ、5人に別れた……5人でできた丸は豚玉?もう片方の5人はバラバラに散ってお米に……いや、バラバラじゃない!お米どうしすぐに球が繋がるように適切な距離を取ってるんだ!
「おっしゴール前や!行くでワイの必殺技!『反転ひっくり返しシュート』」
すごい!ボールがペシャンコに平べったく見える!ゴールのせまい隙間も通り抜けちゃった!
「……今のシュート、お前サッカー向いてるよ」
「嬉しい褒め言葉や!ま、玉蹴りなんかに興味はないんやけど」
「いいか!約束通り勝負に負けたらサッカーやって貰うからな!」
「望むところや」
あれ、なんだかお話が変わってないかな?
「───うぉぉぉお……これで終わりだ!こい化身カリカリアーク『カリジューウィング』!」
「アンコドライバーーーーV3!ぐゎぁぁ」
ラスト1分最後のシュート。……これが入ったから唐揚げ君の勝ち───
「まだや!うぉぉぉぉぉお!」
えっ!?うそ……走ってきたお好み焼き君が寸前で球をゴールから逸らした……
(ピッピーーー!!!)
「同点!同点で終わりました!」
審判をしていた黒豆君の声が響く。
引き分け……引き分けってどうなっちゃうの?
「……今回は引き分けや。まぁ、いい勝負やった」
「ふん、お前こそ中々やるじゃねぇか。俺の肉汁もピチピチ跳ねるように熱いぜ」
あぁ、2人が握手をしてるよ。すごい、いい試合だったなぁ。
この後、校庭は日替わりで交代交代で使うことになりました。
2人ともサッカーと野球のスケットとして大活躍!これにて一件落着だね。
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