第3話 ふんわりだけど棘があるよ!栗きんとんちゃん
「ねぇねぇ今日の朝ね、私のパンがパンクしたの!」
「大丈夫でしたの〜?」
「うん、むしろスッキリしたよ」
「それは良かったですの〜」
入学から1ヶ月、私にも女の子の友達が出来ました。名前は栗きんとんちゃん。
ふわふわとした口調のお金持ちなお嬢様。
甘い物が好き者同士気が合ったんだ。
「おい栗きんとん!」
「黒豆君どうかしましたの〜?」
「ちょっとよぉ、今月金欠でよぉ……金、くれねぇか?」
黒豆君……このクラスの不良だ。お金持ちの栗きんとんちゃんにお金をよくせびるんだよね。大体1日に5回くらい。栗きんとんちゃんは気にしてなさそうだけど、やっぱり私許せないよ!
「黒豆君いい加減にしてよ!栗きんとんちゃんが困ってるでしょ?」
「困ってるなんて一言も言ってねぇだろ!」
「それは貴方が怖いからよ!」
「なんだとぉ?俺の汁でお前を黒に染めてやろうか?」
「えっ、なんか汚いやめて」
「黒豆君、その汚い汁をしまってください。お金をせびる分にはまだしも、私のお友達に手を出すと、許しませんよ?」
く、栗きんとんちゃん!
「なんだとぉ!?お金くれるからお前のこと好きだけど汚い汁だなんて許せねぇ!」
「サツマイモさん、やっておしまい」
「YESマム」
えぇ!?栗きんとんちゃんに殴りかかろうとした黒豆君がどこからか現れたおじいちゃんに止められた。
「は、だ……誰だよおめぇ!」
「答える義務はありません」
「サツマイモさん、黒豆君を連れ言ってください……それと、調教コース」
「YESマム」
「お、おい!離せよ!どこに連れてくんだよ!」
……黒豆君、連れていかれちゃった。
「あの、栗きんとんちゃん。あの人って……」
「サツマイモは家の執事ですの〜。私が呼べばどこからでもすぐに駆けつけてくれるんですのよ?」
「そうなんだね!でもそれって不法侵入じゃ」
「細かい事は気にしないくていいんですの〜」
うーん、細かい事なのかなぁ?まぁ、いいか。
―――翌日
「マム!先日は申し訳ございませんでした!この黒豆!これからは自分の手でマメにお金を稼ぐ事にしました!」
「それは良かったですの〜」
「そ、それと……また罵倒を……」
「気持ち悪いですの〜。これ以上目に入れたくなのでさっと消えてくださる?」
「ありがとうございます!」
……黒豆君、昨日の今日で随分変わったなぁ。
「あ、おいコッペ・パン!いつも通りパサパサしてんな」
「はぁ!これでも保湿してるんですけど」
もう、唐揚げ君っていつもからかって来るんだから。……でも、そういう所が可愛いんだよね。
「……コッペ・パンさんがパサパサ?サツマイ───」
「あ、待って待って!私は大丈夫だから!唐揚げ君は素直じゃないだけだから!」
「あら、そうですの?」
「うん!そうなの」
「ねぇ、唐揚げ君、私達仲良しだよね?」
「は?べ、別に……」
「仲良しだよね!?」
「お、おい顔近づけんなよ!肉汁が出ちまうだろ……」
「あ、ごめん」(かぁぁ)
「ふふ、2人は仲良しですのねぇ」
あぅ、恥ずかしいよぉ。
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