第2話 大人の包容力!なんで包むふんわり卵先生
「初めまして、そしてこんにちわ。私は1年A組担当の担当教師の
入学式を終えて、教室に入ると担任の先生の卵先生と顔を合わせる。
……同年代と違って大人っぽくてかっこいい。なんて思ったりして。ダメダメ、先生との恋愛なんていけないんだから!
「おや、窓際の1番前の貴方、少し焦げてますが大丈夫ですか?」
窓際の1番前……?って、それ私だ!変な想像して顔が焦げちゃったんだ。
恥ずかしよぉ。帰ったらちゃんと保湿しないと。
「大丈夫です」
「無理はしないでくださいね」
「あ、ありがとうございます!」
優しくて気遣いもできるなんて、今朝の彼と大違いだ。
―――それから、席の廊下側から順番に自己紹介が行われいき、そして私の順番が遂に回ってきた。
「ええと、私はコッペ・パンです。好きな物は甘い物。私は中に入れる物によって色々な変化が出来ますが、将来は甘いデザート系パンとしてみんなを癒せるようになりたいと思っています」
(パチパチパチ)
ふぅ良かった。皆に見られる中で自己紹介するのは緊張したけど、ちゃんとできた。
あれ、そういえば私の後ろの席の人が今いないんだけどどうなるんだろう?
「はい、コッペ・パンさんも自分の将来を既に見据えていて素晴らしい自己紹介でしたね。それでは次に1つとばして……」
「―――待った!」
割り込む形で声を上げて教室へと来たのは―――あの時の唐揚げ君だった。
まさか彼も惣菜学園の生徒だったなんて。
「ふぅ、忘れ物の鞄を取りに行ってたら遅れちまったぜ」
え、鞄を忘れちゃったの?すごいドジっ子……なんだろう、母性本能がくすぐられちゃうよ。
「俺は唐揚げだ!カリッとジュシー、惣菜の
「こら唐揚げ君。今は自己紹介でちょうど次が貴方の番だっかから良かったものの……行動には気をつけてください」
「げっ、担任は卵かよ」
「こら、卵先生ですよ」
あれ、なんだかこの2人仲が良さそう。
もしかして知り合いなのかな?
「それでは、引き続き自己紹介を続けましょうか。次に―――」
◇
それから自己紹介を終え、今は休み時間。
新しい学校でも、色々な
そうだ、せっかくだし誰かに話しかけてみようかな?と思い私が席を立とうとすると……
(とんとん)
「おいコッペ・パン」
「どうしたの唐揚げ君」
「その、今朝……ありがとな。別にお礼じゃねぇけど、お前の……友達になってやってもいい」
「友達に?っていうか何その態度!なんで上から目線なの!」
「あぁ!?この俺が友達になろうって言ってんだから素直に感謝しろよ!」
「嫌!」
「くそぉ!生意気なやつ!」
「ふふ、相変わらず唐揚げ君は素直じゃないね」
え、卵先生?
「なんだよ、嫌味か?」
「いえいえ、私は貴方の素直じゃない性格好きですよ?それとコッペ・パンさん。唐揚げ君、こうは言っていますが貴方と素直に仲良くなりたいと思っているんです」
「……そうなの?」
「は、はあぁ!?俺がお前に?」
あ、また唐揚げ君から肉汁が。
「恥ずかしくなると肉汁が漏れる癖、治ってないんですね」
「う、うるせぇ!」
「あはは!」
「おい笑うな!」
「だって……面白くて。うん、唐揚げ君、友達になろうよ」
「……どうしてもっていいなら」
本当に、唐揚げ君って素直じゃないみたい。だけど、いきなり友達が出来たのは嬉しいな。
「コッペ・パンさん。昔の唐揚げ君は可愛かったんですよ?私と唐揚げ君は家が近いのですが『卵お兄ちゃん〜』ってよく懐いてくれていました」
「え〜今からは考えられない」
「あぁあ!やめろやめろぉ!」
そうして、私のドキドキの学園生活の幕が上がったのでした。
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