第四話
何かを見てしまった、妙に寒気が起こる。
足早に道を歩く。
その表紙にまた後ろを振り返る。
慄く様子もなく。車が通り過ぎた。
俺だけなのか。あれを見たのは。
あれを見てしまったのは俺だけなのか。
そんな節々を覗いた上で、私は見ていなかったという思考に変えた。そうだ見ていない。
何も私は見ていない。
大丈夫だ、大丈夫だ。きっと大丈夫。
何も見ていない。何も見ていないから大丈夫。
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