転生先は終焉世界!! ~異世界転生した私が歩む道~
ふわふわ・アリミナ
プロローグ
第1話 不思議な雑貨屋さん
6月2日金曜日22時28分
「はぁ~...。今日も大変だったな~。」
ため息をつき、そんなことをぼやいていた。
「もうバイト辞めちゃおうかな?でも学費がな~...。」
そんなことをぼやいていると普段は空き地の場所に見慣れない建物を見つけた。
「あれ?こんなところにお店なんてあったっけ?」
アニメなんかに出てきそうな少し古臭い建物だ。
でもどこか魅入られるような雰囲気を醸し出していた。
その建物に近寄ると、扉のそばにある小さな看板が目に入った。
「スズメウリ...?」
近くの看板にそう書いてあった。どうやらこの建物の名前らしい。
そうしていると突然扉が開いた。
「うわぁ!」
突然開いた扉に驚き少し後ろに下がると中から白髪の女性が出てきた。
「あら?こんなところに人が来るなんて珍しいこともあるのね」
「こんばんは。お嬢ちゃん」
白髪の女性が私を見ながら話しかけてくる
「こ、こんばんは」
「ここはどんな建物なんですか?」
突然話しかけられたことに驚きながらもふと気になったことが口から出てしまった。
「ここ?ここは私が経営している雑貨屋さんなの」
白髪の女性は優しい声で答えると、手招きをしながら
「少し中を見ていかない?無理に買わせたりはしないから」
そういうとお店に入っていった。
大丈夫かな?と思いつつもどことなくこのお店に興味を持っていたので、お店の中に入ることにした。
中に入るとそこはまるで異世界に来たような雰囲気を醸し出すような場所が広がっていた。
「うわーっ。凄い」
無意識にそんな言葉を零すと
「ふふっ。ありがとう」
「ゆっくりしていってちょうだい。」
どこか嬉しそうに微笑むと女性がお店の中に入っていく。
「ここは色んな場所から取り寄せた珍しいものを売っているお店なの」
たしかにお店の中には見たことのないような物がたくさん置いてある。
周りを見ているとふと近くにあった高そうなワイングラスが目に入った
「これはアリアムっていう国から取り寄せたワイングラスなの」
アリアム?聞いたことのない国だ。私は国名などに詳しいわけではないのでなんともいえないが、どこか引っかかる部分があった。
「そ..そうなんですか。凄く綺麗なワイングラスですね」
疑問に思いながらもすごく綺麗なワイングラスには違いないのだ。
「あら?これの良さが分かるのね!」
白髪の女性は嬉しそうに答えると何かを思いついたようで
「貴方にならあれを見せてもいいかもしれないわね」
と言いお店の奥に行ってしまった。
突然のことに唖然としていると、白髪の女性は小さな箱を手にしてお店の奥から戻ってきた。
「特別に貴方にはとっても珍しいものを見せてあげるは」
白髪の女性が持っている小さな箱の中を見ると、箱の中には不思議な形をしたアクセサリーのようなものが入っていた。
少し不格好なハートの形の周りを様々な形が囲んでいる。
どことなく不思議な雰囲気を醸し出しているアクセサリーを眺めていると
「これはラスラリアという日本の数倍大きな国のカナリアっていうもの」
「ラスラリアという国ではこのような物を多くの人が所持しているの」
ラスラリア?カナリア?また聞いたことのない名前だ
「そしてこのカナリアには修復の力があるって言われているのよ」
そう言いながら箱からアクセサリーを取り出すと
「少し触ってみない?」
と私にアクセサリーを渡してきた。
私はアクセサリーを手に取って見てみる。
不思議な形をしているがただのアクセサリーに見える。
修復の力?っていうことが引っかかるがあくまで迷信なんだろうな。見た目は変わってはいるけどただのアクセサリーみたいだし
「そう...。貴方なのね...。」
「ふふっ。ほんと今日は不思議なことがたくさん起きる日なのかしら」
白髪の女性は口元に手を当てながら微笑んでいた。
なんだろう私を見る眼が少し変わったような気がする
「ねえ良かったらだけどそれ貰ってくれないかしら?」
突然のことに驚きながらも私は
「えっ!?でもこれ大切な物じゃないんですか?それに珍しい物だって言っていたし..」
私は困惑しながらそう言うと白髪の女性が
「カナリアが貴方を選んだんだもの。貴方が持っておくべきよ」
「私じゃ使いこなすことができなかったから..。」
悲しそうな顔をしながらそう言うと
「どうかしら?何かの縁だと思ってね。お代はいらないから」
あまりにも強引にそう言ってくるので私も断るのは少し失礼かなと思い
「じゃあ有難く頂きます」
苦笑いしながら私はアクセサリーを貰うことにした。
アクセサリーを貰った私を見た白髪の女性はどこか嬉しそうな顔をしているのだった。
その後お店の中を少し見て回り23時を回った頃
「あら?もうこんな時間なのね」
「そろそろお店を閉めないといけないわね」
そう言うと白髪の女性は私を見ながらこう言ってきた
「ありがとう。貴方のお陰でとても楽しかったわ」
「また縁があったら遊びにきてね」
そう言うと白髪の女性は私の手を握ってきた
白髪の女性は私と一緒にお店の外まで出ると
「またね。気を付けて帰るのよ」
そう言うと手を振りながら私を見送ってくれた
私は軽く頭を下げた後
「はい!ありがとうございました。アクセサリー大切にしますね」
お礼を言い私は雑貨屋を後にすることにした。
なんだろう。今日はいつも以上に疲れた気がするな...。
「本当に気を付けて頂戴ね♪。カナリアに選ばれたお嬢さん」
そう言いながら微笑んでいたのだった。
転生先は終焉世界!! ~異世界転生した私が歩む道~ ふわふわ・アリミナ @i6ga3-arimina
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