1年間友達(?)だった子から突然「友達辞めて――になろうと言われた件

@Ohuton29

第1話


おはよう、諸君


ところで起きた瞬間に隣に人がいる感覚を味わったことがありますか?

「お姉ちゃん」

私はあります。

ですがこの人はどうでしょうか

「?…お姉ちゃん」

皆さん横をご覧下さい!なんと!妹がいるではないか。起きた時にびっくりし過ぎて飛び跳ねてしまいまして、起こしてしまいましてね!たった今尋問されています…

「お姉ちゃん!」

「は、はいなんでしょう!!」

「ボーッとしないで貰いたいんですけど?」

「ご、ごめん」

「で、なんで私の部屋にいるの?」

そう、そうなんです。実は昨日の夜寝ぼけて妹の部屋に入ってしまったという

「い、いや〜実はですね」

と、そこで妹が別の所へ視線を向ける。

「ん?んん、?」

「どうした妹よ」

「…時計見て」

妹の茜の言う通り時計を見てみると......

8時!?ちょ、ちょっと待て学校につかないと行けないのが8時20分だから......それと学校までの距離が15分ぐらいかかる

って・こ・と・は・?

「茜!五分で支度しなぁ!!」

「ご、ごふん、」

いいことを思いついてしまった。


休めばいいんだ!!!


「休んじゃダメだよ?」


「心の声だったのに......」

たまに茜がエスパーなんじゃないかって思うことがある。そう、小さい頃から......


「声に出てたし......」


と、哀れな目で見てくる茜

単純に私がバカなだけじゃん!!


「てか早く」


時間を見ると8時2分

あと3分で支度しないといけないということに絶望しながら立ち尽くしていると

「お姉ちゃん邪魔から出てって貰えるかなあ」

と姉の前で着替えるのが恥ずかしいのか茜にそう言われ謝りながら部屋を出る

「ごめんごめん」


準備が出来たので1階に降りると

急いで準備をしている両親がいた


「あら、来るのが遅かったわね洋」

「起こしてくれても良かったじゃーん」

「高校生は自分で起きるものだぞ」


確かに父の言い分は間違ってないが、遅れてたら起こしてくれてもいいでは無いかと思ってしまう。

「茜は?」

母が2階を見ながら言う

「来ないね...ちょっと呼んでくる」


急いでる感を出して階段を全力ダッシュして早く来いというアピールをしながら登っていく

茜の部屋を開けてみると、


「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?」


「ええー!?」

茜が着替え中だったことよりもまだ着替えていることに驚いてしまった


「着替えるの遅い!!」

そう言って茜に近づいて手伝おうと思ったが茜の手に阻止された

「すぐ着替えるから先学校行っててよ!」

「わ、分かったよ」

ここでもう一度茜の部屋にあった時計に目を向けてみると8時7分


「お姉ちゃんもう行くから早く学校来るんだよ!」

「分かってるってば」


━━━━━━━━━━━━━━━

なんやかんやあって学校に着いたが意外と通学路に生徒がいて安心した

下駄箱に着き靴を履き替えていると、

後ろから友達が飛びついてハグしてきた


「おはよう洋!」

突然のハグに一瞬戸惑ってしまったが

平然を取り戻してすぐに挨拶をする

「おはよー」

「なんか、おはよう洋っておはようようみたいでちょっと変だね」

と私の友達こと小金花梨が

おかしな事を言う


「そう?それだったら、おは洋でいいんじゃない?」

「おっそれいいね!洋にしては考えたな」


「え、ちょっ!?」


そんなバカにするような言い方にムカついた私はさっき自分もびっくりしたハグを花梨にしてやった

「さっきの仕返し〜!」

「そういえばさ、クラス替えどうなってるかな」

私は暖かいせいだろうか少し顔が赤くなっている花梨に気にせず言葉をかける

「さ、さあ?」

花梨はどこか不安そうな顔を見せる

「おっ?私と一緒じゃないかもって不安か〜?」

私がそう言うとさらに花梨は赤くなり......


「さ、先にクラス確認してくる!」


そう言って花梨が走って行ってしまった

「一緒に見ようと思ったのにな」


花梨は私が高校1年生の入学式に出来た最初の友達だったりする。

去年は同じクラスで苗字の頭文字が同じなことから花梨は後ろの席だった

あの時はクラスの自己紹介でミスりすぎて恥ずかしかったなあ


クラス替えの紙が貼られているとこに行くと少し嬉しそうな花梨がいた

「いたいた、花梨!」

花梨が後ろを振り返って驚いたような顔をしていた


「そんな驚かなくても......」

「あ、ああ、えと、ご、ごめん」

「ふふっ」

焦ったように必死に言葉を並べる花梨に

つい笑ってしまった


「何笑ってんのさー!」

「ねえそういえばクラス替えの紙見てたよね一緒のクラスだった?」

不満そうな顔の花梨に私は問いかける


「それが人が多すぎて見れないんだよね」


「なら私が見てくるからここで待っててよ」


私はそう言ってこの人混みを分けて行った

クラス替えの紙の前に来た時に私の名前と花梨の名前を探す

あった!

私の名前を見つけた。そしてその下に花梨の名前があった

そこで不安そうにこちらを見ている花梨に

イタズラを仕掛けようと思い近づいた

できるだけ残念そうに、そして悲しそうに


「花梨......クラス離れてた。」


「えっ......」

そう言うと花梨は泣きそうな声で


「せっかく、せっかく友達になれたのに」

「まあとりあえず行こ?」

「うん......」


悲しそうな顔な花梨の左手を掴み連れていく


そして

私たちのクラス…2組に着いた

花梨の手を繋いだまま入ろうとすると


「待って洋私別のクラスなんじゃないの?」


「確かにそう言ったね」


「「じゃあなんで私も入れようとするの」」

「って思ったでしょ、それはねその顔をする花梨が見たかったからなのだ!」



と花梨の声に合わせて言うと花梨が小さい声で、1日口聞かないと言われてしまった


「おーいかりーん」

「......」

今年も同じクラスになれ後ろの席にいる花梨に対話を試みるが全て無視

「許してくれたらアイス奢るよ」


「許す」

1秒も経たずに言ったので笑いが漏れてしまった。

この花梨はアイスが好きだからよくこうやって許して貰っている

これで許されなかったことなど無いぐらい


「ほんとに泣きそうになったんだからね」

と今も泣きそうな花梨が言う


「今も泣きそうになってるけどね」

また無視するぞと言われた気がするので謝っておく

「ごめんごめん」

そしてホームルームが始まるのだった


















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