第3話

どうして……




「……ハァ」




東雲……


東雲流雨(しののめ るう)


それが私の名前。



とことん雨が付き纏う。




「一人でまたこんなところで飯食って……」




こっちに向かってくるのは




「三ツ谷先生」




担任教師の三ツ谷熾月(みつや しづき)先生だ。



担当教科は国語。


薄茶色の短髪に特徴的なタレ目の端整な顔。


身長は178センチの痩せ型。


歳は28歳。


妻に浮気されて離婚した、バツイチ子持ち。



端整な顔と親しみやすい性格で生徒達の人気も高い。




「……」



「寄れ寄れ」




私が座っている横に座ろうとする三ツ谷先生。



何故……。



言われた通り、横にズレると座られる。




「あの」



「ん?」




風呂敷を広げ、弁当を取り出す先生。




「ここで食べるのですか?」



「うん」



「では、お邪魔でしょうから私は」



「待て待てぃっ」




立ち上がると腕を掴まれる。




「一緒に食べるぞ」



「え……?」



「んな、メチャクチャ嫌な顔をするんじゃねぇよ」




三ツ谷先生はタレ目を細めて苦笑いをした。

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