第一章

第2話

お昼休み。



私はいつもの場所に来て座ると、持ってきたコンビニ袋から、オニギリ1つとお茶を取り出す。



空を見上げれば、どんより曇り空。



今にも雨が降りそうだ。



後ろが雑木林の体育館裏はいつも薄暗く不気味で滅多に人が来ない。



唯一、一人になれる時間と場所。



人付き合いというものが絶望的に出来ない私は、高校に行くつもりは全くなかった。



けれど……“通え”と命令されたから。



なんとか通っている。




「……ハァ」




疲れた。



オニギリを一口食べ、お茶を飲んで流し込む。




雨は降るだろうか……



それはどしゃ降りになるだろうか……



そうしたら“仕事”だ。




私はーー



空に手を伸ばした、その時




「東雲(しののめ)」




名前を呼ばれた。

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