第14話

「結局、凪咲は何がしたかったんだろうな…」

「構って欲しかった、とか?」

「あたしあいつダメだわ」


 次の日の昼休み、3人で昼食を食べながらあれこれと話す。

 中学の時からだが、相変わらずあの女の意図がわからん。


 あと、普通に俺と一緒に昼飯食ってるこいつら女二人も分からん。


「なんでお前らここでメシ食ってるの?」

「ここウチの席だし」

「あたしに指図すんな」

「これだから女は…」

「いっそ受け入れたら楽になるよ?」

「あんただって、たった今まで何も言わなかったじゃん」

「…一応、昨日助けてもらったからな、その…ありがとう二人とも」

「えへへ、いいのいいの好きでやったんだから」

「あいつらメッチャムカついたし」


 実際、凪咲達がああもあっさり引き下がったのは、この二人のお陰だしな。


「毒をもって毒を制す、女には女か、なるほど学んだ」

「司くんがまた失礼な事言ってるよ」

「ふんっ、あんたとはきっちり勝敗着けたかっただけだし」

「急にベ◯ータみたいな事言うなこのギャル」

「なによ、やんの?」

「お、やんのか?」

「もう、二人とも食べないと休憩時間終わっちゃうよ?」

「それはそうだな」

「芽衣は可愛いわね」

「関係ねえだろそれ」


 このガチ百合女は隠す気無いんじゃ?


「司くん、昨日のお姫様は又来るのかな?」

「わっかんね、あいつの行動パターンはマジでわからん」

「お姫様ってピッタリね、何か甘やかされて育った感じするし」

「あのね、昨日の件で瀬令奈は女王様とか呼ばれ始めてるよ?」

「嘘でしょ…」

「驚くほどしっくりくるあだ名だな」


 しかし、姫VS女王か。


「なるほど、姫じゃ女王に勝てるわけ無いよな」

「やめろし」

「まあ、あいつは取り巻き煽動してこないと独りじゃ何も出来ない女だ」

「じゃあ、暫くは大丈夫かな?」

「だと良いんだがなぁ、テストも近いし終わるまでは流石に大人しくして欲しいもんだ」

「そうだ、テストといえばウチたち3人で勉強会しない?」


 勉強会?この3人で??


「嫌だ、足を引っ張られたくない」

「あたしと芽衣だけでいいっしょ」

「えぇー、みんなで教えあったほうが成績上がるよ?」

「何で俺がお前らの為に時間を?芽衣は知らんが、星沢より頭悪いとは思えないんだが」

「はっ、あたしの方が頭いいし」

「じゃあ、お前らさっき返ってきた小テスト何点だった?俺は96点だ」

「くっ、92点よ」

「ウチは100点だよ!」

「一人だけ満点ってお前かよ!?」

「え、芽衣ってば凄くない?」

「ウチの家、小学校位まで貧乏だったから勉強頑張ってたんだ。

 もうお金の心配はないけど、この学校も学力の特待生で入ったんだよ?」

「…お前も色々抱えてんだな」

「…健気ね、養いたい」


 だから隠せよ星沢瀬令奈。


「あはは、大げさだよ二人とも。今は結構余裕あるから大丈夫だよ」

「しかし、お前が勉強出来るの意外だな」


 星沢も案外いい点数取ってるし、これは結構油断出来ないぞ。


「やばいな、真面目にやらないと妹が星沢に…」

「はっ、心愛ちゃんとパジャパパジャマパーティーすんのはあたしよ」

「そこまで許可した憶えはねえぞ」

「ねえ、テスト終わったら何処に遊びにいこっか?」

「お前はもう勝った気でいるのな」

「そん時はあんた来なくていいわよ、心愛ちゃんだけ来ればいいし」

「なんだテメェ?」

「あ?やんの?」

「ウチお手洗い行ってくるね」


 心愛を星沢から守るためにも、今回は学年1位とるつもりでいかないと。

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