第4話

帰りまで質問され続けたが、外を見たらカエさんがいた。もう帰ってるじゃん…。あれ、なんか不良が前歩いてるし。


「用事あるから帰る」


「えー、鈴野くん話終わってないのにー」


慌てて走って、校舎を出る。


あ、いた。


そんで、やっぱりカツアゲされてるっぽい。そしてなぜか…一緒にいた、三つ編みのやつが殴られそうになった。どうやっても拳が当たる距離であったのに、ふいに不良の体が動いて、地面へ転んだ。ありえない。


そんなこと…あるはず…


…カエさんの右手がかすかに動いた形跡があった。


そのまま三つ編みの手を引いてカエさんは走って行った。不良は急な出来事に驚いて座り込んだままだ。もう1人も唖然としてる。


「あの…大丈夫ですか?」


「あ?なんだてめー」


「転んでるので」


「ったく、なんで当たらねーんだ!あの三つ編み、まじ許さねぇ」


どうやら、カエさんの仕業で間違いないらしい。


「怪我してますか?」


「ったく、お前誰だ?見ない顔だな」


「最近引っ越してきました」


「はぁ?はー、なるほど、お前バカなのな?それか貧乏なんだなー?可哀想なやつだ」


「では、失礼します」


バカにされたんですけど。最悪。助けてあげようと思ったけど、放置した。


とりあえず、カエさんの走って行った方向へ。もやの痕跡があるので辿る。

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