第3話

美しい人は、なぜかピンク髪の逢坂さんの言いなりだ。俺の気持ちとか、そういうのはなんで聞いてくれないんだ。せっかく隣の席だったのに、席替えをすることになるなんて…。


しかし、思い通りにならず、席替えは阻止され、無事に隣の席へ。気さくで優しい話し方で、綺麗な目。もちろんかわいい!無愛想な俺に普通に接してくれる。こんな綺麗な人、ずっと見ていられる。


が、どういうわけなのか、彼女にもやがかかってきて…


名前は観音寺楓かんのんじかえで。みんなカエさんと呼ぶらしい。俺も便乗したい。


そう思ってるとまた…


このもやは、よくない気がする。もやが強くなると何が起こるんだろう…よくないものだ。だが、原因はなんだ?わからない。話しかけようと思ったが、どういうわけか逢坂グループ?に質問攻めされた。カエさんはいつの間にかいない。


「鈴野くんの家は?」


「え、教えないけど」


「ピーチちゃん、鈴野くんは秘密主義みたいね」

「趣味とかある?くらいなら答えるんじゃない?」


俺はなんなんだ?


「趣味ねぇ…?あるの?」


逢坂さんにつまんなそうに聞かれた。


「ない」


「ピーチちゃん当たった!」


「やった〜。じゃあ家で何してるの?」

 

めんどくせぇ…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る