第2話 変態がパンツを変えた


 ――付喪神。物に宿る精霊。

 苺パンツの彼は、その付喪神なのだ。

 通常、長い年月をかけて付喪神になると言われているが、安奈 くりすの北海道の実家は、全国でも指折りの霊媒師の家系で、その中でもくりすは生まれつき飛び抜けた霊力を持っていた。

 本人にはまったく自覚はないが、それが周囲に影響し、子供の頃のくりすは、沢山の悪霊を周りの呼び寄せていた。

 その力を封印したのが父 安奈 御宅。

 それ以来、くりすの周囲に、霊は現れることはなかった。

 だが、大きすぎる霊力は完全に封印することはできず、身体から汗が滲むように漏れ出していた。

 その汗のように滲み出た霊力は、履いていた苺パンツを最速で付喪神にしてしまった。

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