第2話 「癒し処ミラクルヒーラー」新規開店
ここはとある雑居ビルの一室、4月に立ち上げたばかりの「癒し処ミラクルヒーラー」の本店だ
(まだ本店しかないけどw)
「ミラクルヒーラー」って名前がちょっと怪しいが宣伝文句としては悪くないだろう(ちなみに名前を付けたのは美羽だ)
◆◆◆◆
美羽「あきら様、やっと念願のご自分のお店を立ち上げることができましたね。私も嬉しいです」
美羽は18歳の大学一年生。すれ違う誰もが振り返るような美少女、そして俺の実質的な患者第一号だ。
まだ高校生だった1年前、子宮頸がんワクチンの後遺症と思われる原因不明の疼痛に悩まされ、まともに学校にも通えなくなっていたところ、たまたま俺が当時勤めていたマッサージ処に来店。
なんでか俺が担当することになり、疼痛が劇的に改善した。
それ以来俺に心酔することになったというわけだ。
美羽曰く「あきら様のパワーが直接子宮にビビっと響いたんです」だと(笑)
◆◆◆◆
元気になった美羽は猛勉強して第一志望の大学に合格。この4月からは大学に通いながら事務員として「ミラクルヒーラー」で働くこととなった。
あきら「でもホントにここでいいのかい?
美羽ならいくらでも割のいいバイトあるんじゃないの?
俺はまだそんなに給料出せないぞ」
美羽「いえ、私にとってはあきら様と一緒に働けることが何よりの報酬ですから♥️」
可愛いこと言ってくれるじゃん(笑)
これまで貯めたお金は、独立資金に当てたらあっという間になくなった。
でもせっかく立ち上げたんだから潰すわけにはいかない、稼ぐぞー!ってなわけだ。
◆◆◆◆
ミザリー「あきらさまー♡よろしくお願いしまーす♡」
このシスター服を着た女性(22歳)はミザリーと言って、俺の患者第二号だ。ここでは俺の補助として働いて貰う。
ミザリーには白人の血が混じっているようで、長身でスタイル抜群の美女だ。
敬虔なクリスチャンで、もとはとあるキリスト教系の教団で働いていて「美人シスター」として有名だったらしい、、、(笑)
「美人シスター」ってミザリーにぴったりだよね。
でも小さな教団のシスターなんて結局のところ雑用係で、肉体労働系の仕事も多く、神父と信者との双方に気も使い、、
なおかつ「神父」ともいろいろあったらしく、心身ともに疲れて果て、気分転換にマッサージを受けにきて、俺に出会った、というわけだ。
すっかり元気になったミザリーは俺のことを「神が遣わした癒しの手の持ち主」と呼ぶようになり、独立とともにうちにやってきた、というわけだ。
ミザリーの実家はお金持ちで、前の教団でも実質ボランティアで働いていたらしい。
なのでまともな給料出なくても困らないんだと(笑)
◆◆◆
あきら「美羽、ミザリー、やっとこの日が来た。まだまだ小さな治療院だけど、これからみんなで大きくしていこう。でもとりあえずはお金稼がないと生きていけんな(笑)」
ミザリー「はい!(笑)でも私なんかのマッサージでお金頂けるのでしょうか?」
あきら「いや、ミザリーは俺の補助として働いて貰うから。美羽は事務関係を中心に頼むね」
美羽「はい!(笑)でも私あんまり役に立たなさそうですけど、、、」
あきら「何言ってんの?俺の力がどんなにすごくても知られなきゃ意味無いし。んでそれを宣伝する看板娘が必要でしょ。俺じゃ無理だからね(笑)」
◆◆◆
ちなみに前のマッサージ店では結局本来の「ヒーラー」の力は美羽とミザリーにしか使わなかった。
ジジババや男に使ってもつまらないし、一発で良くなると来店しなくなるし。
なんてね(笑)
実は「劇的効果」が出たのは、美羽とミザリーだけだったってのがホントのところだ。
ミザリー「あきらさまの力は若くて綺麗な女性にしか発現しないんですね。それって、、、?」
「いやたまたま相性が良かっただけだろ」
美羽「たまたまではなく、運命だったんです♥️」
「ああ、、、そうだね(^ ^)」
それでも俺の施術は、他の人のマッサージより効果があったようで、客の評判は良く、予約は常に満杯状態であった。
◆◆◆
「じゃあ開店しまぁす」という美羽の声とともに、廊下に並んでいたお客さんが部屋に入ってきた。みんなうら若い女性客ばかり、、、、のはずもなく(笑)
お客さん第一号は、前のお店の常連だった年配の女性だ
◆◆◆
ヨネ「あきらさん、独立おめでとう。今日は孫娘を連れてきたよ。
この子中学で陸上やってるんだけど、捻挫しちゃってね。なんとか大会までに治してやりたいんだよ」
あきら「ヨネさん、来てくれてありがとう。早速見せてもらえるかな?」
孫娘「おばあちゃん、大丈夫だよ。捻挫くらいすぐ治るよ!」と元気よく言ったものの不安そうだ。
あきら「大丈夫!「ミラクルヒーラー」に来たからにはすぐに痛みなんてなくなるよ」と言って、早速着替えてマッサージ台に寝て貰った。
◆◆◆◆
さて治療開始だ!
最初は足先から太ももまでを優しく撫でていくのだが、彼女曰く「ちょっとくすぐったい」らしい(笑)
でもまずは身体ほぐして、患部の状態を確認しないとねー(笑)
俺は手を彼女の足首に置いて、具合を確かめた。
(陸上やってるだけあって引き締まったいい身体してるよなぁ。中学生にしてはスタイル良いし)
(うん、これは普通の捻挫だな。これなら直ぐに治りそう。
問題はこの子にどこまで力が通じるか?だけど)
あきら「(心の中で)ヒール!!」
彼女の捻挫している足首辺りがほのかに光始めた。
(おっうまくいきそうだ)
孫娘「あ!足があったかくなった!」
あきら「どう?まだ痛い?」
孫娘「痛くない!すごい、すごいよ先生!」と大喜びだ。
孫娘「なんか足首が光ってた気がするけど、気のせい?でも痛みは全然なくなった!」
あきら「そうだよ、うちは「ミラクルヒーラー」だからね♬.*゚」と言って手を広げた
孫娘「先生!うち、今度から捻挫したらまたここ来るね♡私の名前は愛っていうの、よろしくね」と大喜びだ。
待合室にいたヨネさんも「これで大会に出られるね!」と大喜びしていた(笑)
「患者第一号」はヨネさんじゃなくて、愛ちゃんだよね(笑)
なんか幸先良い気がするぞ。
よしこれはいけそうだぞ!この調子でどんどん稼ぐぞー!
◆◆◆◆
なおこの時俺は知る由もなかったのだった、まさかこの後あんな事態にまで進んでいくことになるとは、、、
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