第2話:まじ?異星人?。

「だって私、異星人なんですもん」


「異星人?」


(・・・ほらはじまったよ・・・精神鑑定必要なんじゃないか?)


「ね〜、ハルキちゃん聞いて?・・・聞いてください?」


「ハルキちゃん?・・・まあ、たしかに合ってるけど・・・ちゃんづけは早くね?」


「私ね、メイズって惑星からバスに乗って地球に修学旅行でやって来たの」

「うそ!!って言うのは後まわしにして最後まで聞いて・・・」


「それでね、私、自由行動の時、みんなからハグれちゃって、で地上に取り残されちゃったのね?」

「まあ、先生もみんなもいい加減だから生徒が一人行方不明になっても気づかずに

メイズに帰っちゃったんだと思うの、だからきっと迎えには来ないと思うんだよね」

「早い話が私、迷子なのね・・・私、困ってるのハルキちゃん、行くところも頼る人もいないの」


「あ〜そうなんだ・・・」


(なんか嫌な予感するんだけど・・・その願望がこもった話し方)


「お願い、ハルキちゃんちへ連れてって・・・なんでもするから・・・」


「ほら、来たよ・・・」


「あのね、お料理だってできちゃうし、お洗濯もお掃除もできちゃうから・・・

それに・・・ほら、助けてもらったお返しするって言ったでしょ?」


「そうだけど・・・」

「修学旅行って・・・空からバスなんか降りてきたら誰か目撃者いるだろ?」

「パニックになるし、だいいちなんでニュースになんねえんだよ」

「SNSにだって拡散されてないし・・・」


「そんなの知らない・・・でもね、異星人を彼女にするといいことあるから・・・

運気が上がっちゃうよ」


「か、彼女?・・・」

「またまた、からかって・・・何か魂胆あるの?・・・俺、金持ってないよ」


「からかってないから・・・お金ってなに?」

「本当に彼女になってもいいって思ってるんだよ、ハルキちゃん命の恩人だからね」


「どうせお世話になるなら彼女にくらいなってあげないとダメでしょ?」

「どうせメイズには帰れる見込みないから・・・」


俺はうんともなんとも言ってないし・・・なのに勝手に彼女になってくれるって

言ってるし・・・。

そもそも異星人ってなんだよ・・・異星人なんて生態が謎だらけじゃん。

俺はどっちかって言うと人間の女の子のほうがよく知ってる分いいんだけど・・・。


「あのさ・・・君はたしかに可愛いし・・・俺も男だから君に好きになられるのは

悪い気はしないけど・・・」

はっきり言って、君は俺のタイプじゃないから・・・異星人なんて無理だよ」


「きっと君がいないことに誰か気づいて迎えに来ると思うから・・・」

「しばらくここで待ってな」


「俺は帰るから・・・ごめんな」


そう言って俺はバイクのエンジンをかけて振り向きもしないてバイクを走らせた。


「ごめんね・・・悪いけど・・・好きでもない女はマンションには連れてかえれ

ないわ」


「行くところがない路頭になよった哀れな私をひとり置いていくの?」


おえ?・・・どっから聞こえて来るんだ?。


「ハルキちゃんの上です」


俺は一旦バイクを車道の端に止めて上を見た。


異星人の女が宙に浮いていた。


「なにやってんの?」


「私を放って行こうとするから・・・」


「さっき言っただろ・・・異星人となんか一緒に住めるわけないじゃん」

「それにしてもみごとなもんだ、宙に浮ける人間なんていないからね・・・

なるほどね〜そのイリュージョンすごいね、金取れるって・・・って関心してる

場合か」


「イリュージョンなんかじゃないから・・・」

「私の背中にアクセラレーターって円盤状のモノが現れてこうして宙に浮ける

んだよ」


「なこと、どうでもいいから・・・付いてくるなよ」

「待て待て・・・そんなことができるなら、そのまま自分の星に帰っちゃえばいいじゃん」


「メイズまではとても持たないもん・・・私、途中で宇宙の藻屑になっちゃうよ」


「にしたって・・・・ついて来るないよ、絶対!!」


って言ってまたバイクで走り出した・・・んだけど・・・ついてきてるし・・・。

絶対異星人となんか関わらないからな・・・。

って思ったけど、リップが車道でうんうん唸ってた時、彼女を見捨てられなかった

んだから、その時点で俺は彼女に関わっちゃってるってことだよな・・・。


好きじゃないとは言え放置しちゃっていいのか?


俺はバイクを飛ばした・・・めいっぱいアクセル捻って・・・。

で、後ろを振り向いたら、必死で俺の後を追って来てるリップがいた。


その光景を見た瞬間、俺はバイクを止めた。


つづく。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る