フォースマジュール。♡ひとりにしないでよ♡

猫野 尻尾

第1話:人間じゃなさそうな女。

人生は不可抗力で出来ている。


遠い宇宙にも地球と同じような惑星があって、そこには人類と似た種族が住んで

いて、人類より少し文明が発達していて大人は社会に出て仕事をして子供は学校に通っていた。

そして地球人の学生と同じように就学旅行なんかあったりして、で今回初の旅行先

が我々の住む地球に決まった。


ある日、俺は車道のど真ん中でうずくまってる女の子を助ける羽目になった。


だけどよく見ると、なんか変?

髪の色はピンク、まあ最近は染めてる子もいるから問題ないとして・・・

頭から何かビヨーンって出てるし・・・先っぽがなんでかハートマークになってる。


しかも超可愛ゆいし・・・。

でもって顔に奇妙な模様まである・・・それって先住民族的な?

それともオーストラリア民族のアボリジニ?・・・何族?・・・どこから

来た?・・・。


まあいい・・・とにかく放っておけない。

でも最近は異性に対して勝手に触ったりするとすぐセクハラになっちゃうからな。


だけど触らない訳にはいかないわけで、お腹が痛くて動けないってウンウン

唸ってるから、これはいかんと思ってその子を、お姫様抱っこして歩道まで

運んで・・・で、バイクの後ろになんとか乗せて近所の後前うしろまえ内科クリニックへ

彼女を連れて行った。


ちょっと心配だったしヒマだったから点滴が終わるまで俺は待ち合いで待っていた。

その子は点滴打ってもらったら、よくなったみたいで薬を処方してもらって

ことなきを得た。


よく聞くと昨夜、あさりのバター焼きと生牡蠣を食ったんだそうだ。

それが腹痛の原因か・・・ノロとかじゃなくて食あたりだけで済んでよかった

んだよ。


だからそのまま家まで送ってあげるからって言ったら家はこの地上にはない

なんて言うし・・・・・・そんなバカな・・・じゃ〜どこから来たんだよって話。

女のホームレスか?・・・にしては身なりはきちんとしてる。

あまり見たことない服着ちゃってるけど・・・。


改めてその子は俺にお礼を言った。


「どうも、ご面倒をおかけしました、おかげで死なずに済みました」

「このお礼は私のご奉仕で返させていただこうと思いますがいかがでしょう?」


「ご奉仕?・・・ってなに?」


「なにも差し上げるものがありませんから、よかったら私の体で・・・」


「体?・・・体って・・・つまり・・・その・・〜ックスってこと?」


「そうですけど・・・今はそうするしかお返しできません」

「本当は未成年だから、そんなことしちゃ怒られるんですけど・・・しかたない

です、この事態は不可抗力ですから・・・」


「あのさ、お返しとかそんなこといいから家まで送って行ってあげるから

住所教えてくれる?」


そしたらその子、上に向かって指を差して言った。


「私の家は雲の上のそのまた上です・・・そこまでバイクでは行けません」


(なに言ってんだ?あ〜ヤバい、ヤバい・・・関わらないほうがよさそう)


「あの、よかったら、あなたのお名前聞かせていただけません?」


「ああ、俺「桜庭 晴樹さくらば はるき」23歳、一応社会人でバイク屋に勤めてます」


「君の名前は?」


「私、名前は「リップ」って言います・・・リップ・ルージュ」


「リップ・ルージュ?」

「ああ・・・リップちゃんね」

「あのさ、とてもじゃないけどバイクで雲の上までは送ってあげらないから

ここで別れようか・・・それがお互いの為になりそうだし・・・」


「あ〜私のこと面倒くさい女だって思ってるでしょ?」


「いやいや・・・そうは思ってないけど、でも住所聞いたら雲の上なんて言うから・・・」


「だって私、異星人なんですもん」


つづく。


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