第7話 青天霹靂

鈴木とは頻繁に連絡を取り合っていた。今は世界中どこでもだれとでも繋がれる。幸い時差は3時間だったため生活リズムが大きく変わることはなかった。


海外出向だったが、親会社は日本にあるため来期より本格始動で1-3月は準備期間とされていた。住む環境の整備や協力企業の職員たちとの親交を深めるため外食が多いそうだ。


3月上旬には一時帰国で1週間の休みが取れそうだから、旅行に出掛けないか?という鈴木の提案に早苗はすぐに「行きたい」と返信をした。



久しぶりに会える。初めての旅行。早苗は、どんな場所に行こうか、何をしようか、色々なことを想像し始めた。

「海外だとシャワーでお風呂に入ることがないから広々と足を伸ばせる温泉とかどうかな。久々の日本だし、和食が美味しい宿に行くのもいいかも。」暇さえあればスマホやパソコンで旅行先の検索をしていた。「カップル 旅行」とスマホで検索していた時、早苗の目に飛び込んできたのは、1件のニュース記事だった。


「速報:新型の疫病が世界中で拡大。日本への入国制限強化へ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る