第4話 ミノタウロス戦(1)
クロスボウをもってみてやっぱり思うのは、やはり怖いと言うことだった。
自分は運が悪い、異世界に転生できたとしても幸せにならない、可能性もあるやんけ的な想像を前世に行っていたが...現実は想像を軽く超えてきた、まさか砂漠に遭難するとは。きっと彼女と出会っていなければ餓死していたかもしれないな。そう考えてみると自分は運がいいのかもしれない。
————悪運では? ......まあ、あまりにも目が曇っている気もするが、僕は彼女に会えてよかったと思っている。これは自分にとって事実だった。
「ここから20km先に魔獣がいる......あの、だいちょうぶですよね?」
持ち物は...双眼鏡とクロスボウそして矢が79本存在している。あとはマチェットが近接用の主な装備であり、これ以外にも様々な道具を持っている。
できれば近接戦はしたくないものだ、防具はテントにおいていなかったわけだし...。
「......」
不安に包まれる僕は、過去の......軍人になった友人の父親の言葉を思い出した。
たしか、国際大学の友人だったはずだ「人を殺す覚悟は、できてる」そう友人は覚悟を示したが父親に「......死なない覚悟はできているのか?」と言い返されたはずだ。
僕は覚悟ができているのだろうか?
「......覚悟完了」
「僕は、異世界の戦いの全てを生き抜く覚悟ができました」
「え?」
「ミノタウロスがいなくなる前に移動しよう」
なんか変な人だと思われた気もするが、気にする必要は恐らくないだろう。目の前の現実からできるだけ目をそらさず生き残るそれが今の目標である。
「...そうですね」
______
「ぶほおおおおおおおおおおおおおおおお」
近くから音が聞こえる、これは鳴き声...「...近くに魔獣がいるかもしれない」
彼女の推察どうり、この声の主は魔獣ミノタウロスだろう。
「......え?なんだ......こいつ」
双眼鏡で見えた魔獣は、イメージしていた魔獣の見た目とは違って人型ではない...どちらかといえばケンタウロスに近いかもしれない、牛の首から上がゴリラの上半身に置き換わったような姿をしていた。
「......あれはミノタウロスですよね、何不思議そうな顔を?」
「ごめんちょっと、自分のイメージとちがって...」
そうして、彼女は作業に戻った。...どちらかといえばキマイラとかそっちよりなんじゃないかな...でもこの世界ではあれが、ミノタウロスなのだろう。
「......このあたりならエーテルがあるようです」彼女は僕が魔獣を見ている間に、折り畳みの鏡...正式名エーテルソナーを使ってエーテルを見つけたようだ...つまりは、彼女の魔法がここなら使える。
僕たちがテントで想定していた状況より、いい状態で作戦を開始できそうだ。
「......作戦開始」
クロスボウで射撃をする、これが命中すれば...でも恐怖で手が震える。
「いくよ......」矢が飛んで......そして魔獣の皮膚に突き刺さった「があああ......! 」わかっていたが致命傷は与えられなかった。
そしてこちらにきずいたのだろう、こちらに顔を向けて目が向き合う。これで...もう逃げることはできないだろう...すぐに魔獣がこちらに走ってきたが、それは地球でいえば重騎兵に突っ込まれているようなものだったのかもしれない。
「サーシャできるか?」今回、敵の勢いをそぐための魔法が使えるのは幸運だった。
「......OK水魔法を使えるよ」「やっちゃてくれ」
彼女が笑顔になって魔法の詠唱を始め、すぐに...それこそ2秒で詠唱が完了した。
今思うことではないが、彼女はやはり可愛い...彼女は内心でニヤリとするのが似合うだろう衣装としては、白衣も似合うかもしれない。
「ハイアクアブラスター......!!」すごい勢いで水の柱が魔獣に命中する。その勢いは警察の放水車のようで、敵の勢いは削がれていた...今から「狙えるか、これ?」
「いくか...」矢が飛んで......、また矢が飛んで...命中する。
「今のところ矢が全て命中してるじゃん、狩人とかだったの?」
確かにクロスボウを初めて使ったはずなのになぜか、手になじむ。だが「いや、そもそもクロスボウは使ったことはないかな」
現代ではクロスボウを使う機会なんて現れなかった...それに、日本ではクロスボウを購入できないわけだし、さらに使う機会もない。
「......才能が目覚めてる」
...こんな形で、自分の隠された才能にきずくとは......。The flower that blooms in adversity is the rarest and mo
「もう一回......ハイアクアブラスター......!!」敵は明らかに翻弄されている。
このままいけば、.......魔獣を殺すことができるかもしれない。
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