【SPG番外編】Return<カクコン10:お題で執筆!! 短編創作フェス「帰る」>

タカナシ トーヤ

Return

 エロジジイ・ヨーボを賢者に進化させるべく、世界に2冊しかない「ねとりの書」の1冊を手に入れ、転職を司る「ダーマシ神殿」へと向かっていた勇者一行。

長い長い洞窟の先に、ようやく転職の聖地・ダーマシ神殿が見えてきた。



<登場人物>

・主人公、アルフ(ゆうしゃ)

・中二病同級生、ジュード(せんし)

・偽天然同級生、ニコル(そうりょ)

・マッスルねぇさん、ヌイーダ(ぶとうか)

・エロジジイ、ヨーボ(あそびにん)




********




ヨーボ「ひょ~い!!到着じゃ!!神殿・開けましておめでとう~!!!」



*―ガシャガシャ―



*しかし、しんでんは あかなかった




ヨーボ「なんと。開かぬというのか!!」


僕「さすがはダーマシの神殿。ここまで並ばせておきながら…」



*―ポツ ポツ…―



ヌイーダ「あら、わ…」

僕「ん?なにか立て看板があるぞ」



―帰る―



ジュード「なんだコレ…」

僕「帰る、とかいてあるな」

ジュード「んなこと見りゃわかんだろ。どこに帰るんだよ」

僕「さあ…」

ニコル「大神官ミカエル様がどっかに帰るからお休みですってお知らせかなぁ?」

アルフ「僕たちへの指令なんじゃないか?”帰る”とは元居た場所に戻ること。すなわち、僕達が【帰る】のは…」


ヨーボ「冒険の始まり、王の城じゃな」

僕「僕の家じゃないか?」

ニコル「トリネコのいるところだよぉ」

ヌイーダ「パーティを結成したあたしの店に決まってるわ」

ジュード「俺とアルフとニコルが出会った学校じゃね?」


僕「まいったな…いつものごとく、意見が一致しない」

ニコル「みんなそれぞれ好きなところに帰ればいいんじゃない?」

ヨーボ「それだと物語的に成り立たないじゃろうて」

ニコル「ル○ラでひとっとびできれば解決なのに」

ヌイーダ「肝心なその【帰る】を残念ながら誰も使えないのよね…」


僕「【帰る】…つまり分解すると【リ・ヨ・ワ・巾・る】…並べ替えると…」

ジュード「出た、アルフのクイズ脳」


ヌイーダ「それじゃあ、そういうわけで、あたしは町に戻って買えるだけ防具を買って、新しいものに換えるわね」

ジュード「勝手に話を変えるな」


ヨーボ「天国のじいちゃん…今生きていたら何歳じゃろうな」

ジュード「生き返る…ってか」


ジュード「実は違う【かえる】なんじゃないか?」

ニコル「アルフいつもやられたら棺桶に入るけど、この地域ではやられたら土に【還る】だったりして…」

僕「みんなで僕の方を振り返るな」

ヨーボ「アルフ、怖いのじゃな。ヨシヨシ。ぎゅ~してやるぞ。」

僕「本気で帰るぞ…」



ニコル「もうさ、こうしちゃおうよ」


―蛙―


僕「蛙に書き換える、ってか」

ヨーボ「大神官ミカエル様に会うためここまで来たのに…まったく蛙化もいいところじゃのぅ」

僕「神官一度も出てきてないだろ…」




―🐸「ゲコゲコ」―




僕「おや、噂をすれば蛙が」

ジュード「蛙が飼える神殿、ってか」

ニコル「ミカエル様の蛙…?」

ヨーボ「蛙が鳴くから帰りましょ、じゃの」

僕「なるほど」




ヌイーダ「あらやだ、またが…」





に モド

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【SPG番外編】Return<カクコン10:お題で執筆!! 短編創作フェス「帰る」> タカナシ トーヤ @takanashi108

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画