第6話 強敵をサクサク倒していく


 

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【名前】ましろ

【種族】バステト

【レベル】∞

【HP】(※秘匿情報)

【MP】(※秘匿情報)

【攻撃】(※秘匿情報)

【防御】(※秘匿情報)

【知性】(※秘匿情報)

【素早さ】(※秘匿情報)

【加護】(※秘匿情報)の加護

【スキル】

・猫神(LEVEL1)

飛爪

神威鉄爪オリハルコン・クロー

猫のひげ

ネコババ

(※秘匿情報)

・神プロテクト

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 私こと、黒姫くろひめ 寧子やすこは、困惑していた。

 奈落の森アビス・ウッドとやらを脱出するには、愛猫ましろの力が不可欠。


 ましろがどんな力を持ってるのか、確認しようとして、彼女のステータスを鑑定してみた。

 それが、↑だ。


「ほとんど秘匿されてましゅ……。隠してないで見せて欲しいれしゅ」

「みゃっ」


 つんっ、とそっぽを向く愛猫。

 猫、特に野良猫は警戒心が強いという。


 ましろは、たとえ飼い主が相手だとしても、自分の個人情報は教えたくないのだろう。

 細かいステータスはわからないけど、レベルがトンデモナイことはわかった。


 あと……持ってるスキルも。


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飛爪

→斬撃を飛ばす

神威鉄爪オリハルコン・クロー

神威鉄オリハルコンをも引き裂く一撃

猫のひげ

→広範囲レーダー。魔物の位置や、建物の構造を把握する。

ネコババ

→倒した相手のスキルや能力アビリティを奪い、契約主に付与する。成否はランダム

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「前ふたつは、攻撃スキル……れしゅ?」

「みっ」こくんっ。


 あの大蛇や熊を倒したのは、これらの攻撃スキルを使ったんだろう。


「猫神スキル……レベル1? ましろたん……なんで強いのに、スキルレベルが1なんでしゅ?」

「みっ」


 てしてし、とましろが、ステータスを手で叩く。


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「神プロテクト」

→神が地上で活動する際、強大な力を押さえるために、自身に課す枷。

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「プロテクト……力をセーブしてるってこと?」

「みっ」こくん。


 だから、猫神スキルのレベルが1なんだ。

 それにしても、枷……か。


 確かに、ましろの攻撃は凄かった。セーブしてあれなのだ。

 プロテクトがなかったら、環境破壊が起きてしまうだろう。


 だから、あえて自らを弱体化させてる……と。

 ……でも弱体化させて、さっき魔物一撃で葬り去ってたのだけど。


「そういえば……さっきましろたんが倒した、クマって……どれくらい強いんでしゅ?」

「…………」くぁ。


 ましろ、あくびしていた。

 完全に興味なさそうだ。


「【鑑定】」


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死熊デスベア

【レベル】95

魔素マナの濃い場所に生息する、凶悪な熊の魔物。

鉄をも切り裂く爪と、巨岩を持ち上げる腕力を持つ

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 レベル……95!?


「え、わたし……死ぬとこだったでしゅ!」


 レベル91だったから、95のモンスターに負けるのは必定。

 ……ましろが居て、本当に良かった。


「ありがとう……ましろたん」

「にゅふん」


 ましろが近づいてきて、のどもとをさらしてくる。

 撫でても良いぞ、とでもいいたげだ。


 こちょこちょとのどをなでると、ゴロゴロ音をたてる。

 ひとしきり撫でると、ましろが私から離れる。

 気まぐれお嬢様だこと。


 そのときだ。


『ネコババに成功しました』

『ヤスコは能力アビリティ【金剛力】を取得しました』


「……は? ネコババ? あびりてぃ?」


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ネコババ

→倒した相手のスキルや能力アビリティを奪い、契約主に付与する。成否はランダム


能力アビリティ

→魔物や亜人が、生得的に所持してる特殊能力。


金剛力

死熊デスベアの持つ能力。一時的に、腕力を超上昇させる

~~~~~~


「なるほど……。ましろたんが魔物を倒すと、ランダムで、能力アビリティやスキルをもらえるんでしゅね。わたしが」


「にゅふん」


 ……凄い。

 ましろが勝手に敵を倒してくれるし、そしたら私のレベルもあがるうえ、敵の力をゲットできるみたい。


「しゅごいです、ましろたん」

「にゃ?」


 ましろがどや顔で、私を見上げてくる。

 な? すごいだろ、とでも言いたいのだろう。


「はいはい。しゅごいしゅごい、ましろたん、しゅごい」

「み~♡」


 ましろの頭をなでなでしながら、私は……さっきよりも、心に余裕が出てきたように感じた。


 それは、ましろが規格外に強いこと。そして……ましろがとんでもないスキルを持っていることが大きい。


 幼女の姿で、見知らぬ場所に放り出されて、最初は不安で仕方なかった。

 でも……。


「君がいれば、安心して、旅できるよ」

「にゃ?」


 また、「な?」とばかりに、得意げに笑ってる。


「いこっか」

「みゃ!」


 私は今まで、祭壇的な場所にいた。

 そこから、外へ向けて歩き出す。


 通路をまっすぐ進んでいく。


「しゃー!」


 ましろが立ち止まり、牙をむく。


「敵れしゅか?」

「みっ!」こくん。


 どうやら魔物らしい。

 前を見ても、魔物の姿は見えない。

 多分だけど、スキル、猫のひげのおかげで、敵の存在に気づいたのだろう。


「みー!」


 ましろが勝手に走り出してしまう。

 魔物を狩りにいったのだろう。


 私が行っても足手まといにしかならない。


「【結界】」


 私の持つ聖女スキル、結界。

 私の周囲に、ドーム状の結界が展開される。

 ましろが魔物のところにいってるあいだ、私は無防備になる。

 レベルは101だから、さっきのクマがでてきても負けはしないだろう……けど。


 あれ以上に強い敵がいるかもしれない。

 ましろが居ない間に襲われたら、大変だ。だから、私は彼女が帰ってくるまで、結界内で待機。


『条件を達成しました』

『レベルアップしました』


 頭の中でまた、あの謎の女性の声が聞こえてきた。

 ステータスを確認すると、私のレベルが106になっていた。


「みっ!」


 ましろがなんか、人間の子供くらいの何かを、口にくわえて、ずりずりと引っ張ってきた。

 

~~~~~~

単眼悪魔グレムリン

【レベル】65

→迷宮に住む小悪魔。凄まじいスピードで移動し、手に持った釜で相手を切りつける。

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「ましろたん、倒してきてくれんれしゅね? ありがとぉ」

「みっ」


 とことこ近づいてきて、喉元を見せてくる。

 私はよしよし撫でる。


 ……今更だけど、この子結界を素通りしてきたな。

 本当に強い相手には、レベル3結界じゃ、侵入を許しちゃうんだ。


 もっともっと、スキルレベルも上げないと。


『ネコババに成功しました』

単眼悪魔グレムリンから能力アビリティ【超加速】を取得しました』


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超加速

単眼悪魔グレムリン能力アビリティ。脚力を強化し、超スピードで走ることが可能。

~~~~~~


 これも、さっきのも、かなり使えそうな能力だ。


「いざというとき、慌てないため、試しに使ってみようかな」

「みゃっ!」


 ぶんぶんぶん、とましろが首を横に振る。


「え、どうしたの?」

「みゃ!」


 尻尾で、自分を指してる。もしかして……。

「自分がいるから、能力アビリティなんて使わなくていいって?」

「みっ!」こくん。


「でもいざというときに……」

「しゃー!」


 ましろがまた敵を見つけたらしく、ぴゅーっ、と走って行ってしまう。


『条件を達成しました』

『レベルアップしました』


 レベルが106になっていた。

 多分ましろがまた魔物を倒してきたのだろう。


 ずりずり……とましろが大きな蛇を引きずってきて、私を見上げていう。


「にゃ?」


 ね、要らないでしょ? と言いたいのだろう。

 

「そうでしゅね……ましろたん最強でしゅもんね……」

「み!」

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