第6話
5月。
「ゴールデンウィーク4人でどっか行きません!?」
どこぞのチビ後輩(奈々)が急にそんなことを言い出した。
てか今普通の休み時間だぞ?
なんでこっちに来てるんだよ。
「俺は別に大丈夫だけど…二人は?」
「うちも特に予定はないから大丈夫よー。」
麗奈はあっさりオッケーが出たが…
『大丈夫だよ』
お、彰人からもオッケーが出た。
意外だな。
彰人誘っても断ることが多いのに。
見るからにちびすけが喜んでるのがわかる。
あ、飛びながら帰っていった。
なるほどねぇ。
麗奈と顔を見合わせる。
『こりゃあ楽しみですねぇ。』
俺たちがニヤニヤしていると予鈴がなる。
『お二人さんいちゃつくのはいいけどここ学校だからね』
「「いちゃついてないわ!」」
「お〜い、碓実、白川〜。いちゃつくなよ〜。」
「「先生まで!?」」
クラス中に笑いが起きるのだった。
くそ!
彰人め…。
許さん!
◇
玄関が開く。
「そんまま洗面所に行けー。」
「あーい。」
何気ない会話。
相手が誰だかは言うまでもあるまい。
「翔真、今日もご飯よろしくね。」
「少しは自炊くらいしろ。お前女子高生だろ。」
お隣の幼馴染、碓実麗奈だ。
麗奈の両親は海外出張中で、なぜかその間の麗奈のご飯を俺は任されている。
ちゃんと材料費とかは貰ってるからいいんだけどね。
「えー、自炊ってめんどくさいじゃん。それにどうせ大人になっても翔真に作ってもらう気でいるから大丈夫大丈夫ー。」
こいつ…。
「自分で何言ってるか考えろー。」
「んぇ?…あ…ぇ///」
ほらみろ顔真っ赤じゃん。
ほんとに将来が心配だ…。
「俺以外にそう言うこと言うと勘違いされるぞー。」
「バカ翔真!///トイレ行ってくる!///」
そう言って麗奈はリビングから姿を消した。
「ふぅ〜。」
待ってやばい心臓がはち切れんばかりに鼓動をしてるんだが?
何あの反応可愛すぎん?
てかあっぶな。
麗奈がトイレに行くのが後少しでも遅かったら完全に赤面してるのバレてたわ!
あっぶなー。
※麗奈視点
え、翔真、俺以外に言うなって、そう言う独占欲!?///(違います)
何それもしかして私のこと好きとか!?//
ないない、どんな思い上がりだよ!
というより絶対顔赤いのバレてた最悪、うぅぅ〜〜!///
※翔真視点
ガチャ。
白川家のドアが開く。
ん?
彰人でも来たか?
入ってきたのは…
「お邪魔するっスー!」
「お邪魔しまーす。」
「「ちびすけ(ななち)と彰人ぉぉぉぉ!?」」
なぜかチビ後輩とマスクを外した彰人でした。
ていうか麗奈、トイレ行ったんじゃなかったのかよ…。
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