あと何回か

もちっぱち

公園での出来事

 ある日の朝11時頃。


 私たち親子は、公園に遊びに行きました。広場でゴールなしのパス練習をサッカーボールで蹴り合い、楽しんだ後、遊具で遊びたいと叫ぶ長男の言うことに従い、ボール遊びを中断して、滑り台とアスレチックのある方へ移動しました。長女も一緒です。

 10歳もなると落ち着いてるから、大人しいかと思ったら、長女も一緒になって滑り台を7歳の長男とすべりまくります。一応、大人である私は危険がないように遠くから見守り担当。ベンチに座ってゆっくり座りたいと思っても、見ててと叫ぶ長男。

 

 仕方なしに写真を撮りつつ、2人を近くでじっと見ていました。いろいろな遊具で遊ぶうちにあっという間にお昼のチャイムが鳴り始めました。私のお腹は見ているだけでしたが、ぐうぐうなり続けます。


「お腹すいたから、そろそろ帰ろう?」

「えーーー、まだ遊ぶよぉ!」

 と長男。これで滑り台5回目です。長女も続けて滑ろうとしましたが、別な遊具に移動しました。


「んじゃ、私はこれ1回やったら帰る~」

「そうだね。わかった。お姉ちゃんはこの遊具終わったらね」

「僕はもっと遊ぶのー。何回とか決めないの!! 遊びたいだけ遊ぶ」

「うん、ごめんね。お母さんお腹すいて倒れそうだから先に帰りたいんだけど」

「置いていかないで!」

「置いていかないよぉ。遊びたいんなら、歩いて帰ってきてもいいんだよ。お母さんは、先帰るけど、どうする?」

「……わかった。あと10回!!」

「えーーー。もう倒れそうって言ってるのになぁ」


 なかなかスムーズに帰らせてくれない長男に比べて、長女は


「お母さん、先帰っちゃお!」

「うーん、それはねぇ、ちょっとね」

「わかったよ! あと1回にするもん!!」


 そう言いながら、長男は1回だけ滑り台だけ滑り終えると、走って近づいてきました。


「んじゃ、駐車場の車までどっちが早いか勝負ね。よーい、スタート」

 と私は手をたたく。2人は一目散に車に向かって走っていきました。


 帰るにも至難の業。いつもどんな時もスムーズに帰った試しがないこの頃。今度は私がスタミナたっぷりつけて、長男が帰りたいって言うまで遊ばせたらこっちのものかと感じました。




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あと何回か もちっぱち @mochippachi

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