確認作業って大事だよね

歩き疲れて家に戻ってきた。


歩いた歩いた。

向こうでは歩かない距離あるいた。

車生活に慣れ過ぎだね。

足が痛いよ。


歩いた距離と場所位置を思い出しながら、向こうから持ち込んだメモとペンで地図を描きだす。

自称世界樹を中心にして書く。


結構歪な感じに柵が巡らせてあったが、おそらくメインになるであろう橋へと続く道と果物山への道は、ほぼまっすぐだったな。

果物山から直線で家の裏手へと道があったし、摂りに来るなら裏手から車を走らせれば問題ないね。

帰り道、太陽?が沈む方向を確認して「沈む方向が西」と決めた。西側と決めた(笑)森の小道まわりの草花の確認はまた今度にして・・。

もしかしたら東かもしれないが、そんなバカボ〇な歌みたいな事は・・無いと思いたい。


ハウスは外側ただの山小屋だが、ちょいと横長。

そのハウスを正面に見て、後ろ側を「北」に決めた。

すると必然的に右側が「東」左側が「西」になる。

ちょうど太陽が沈んだ方向だ。

で、その西側にわたしの軽バンが置いてあった。

あったが車の周りには雑木が生えていた。

何かの木だと思うんだけど・・雑木。

木の種類なんてわからないよ。

その木のおかげで車が見難しくなっていて、もしも誰かが見てもパツと見わからない。

ま、誰も来ないし招かない。

1人と一匹で暮らすのだ。


車と家との出入りも確認した。

車内の荷物も確認した。

そのまま持ってきてあった、よかった・・。

とりあえずそのまま乗せておく事にしよう。、


ノコギリ、枝切りハサミ、コンバイン紐、収穫ハサミ、草刈り鎌、ニトリルグローブ、手袋、農フード2つ、野菜の種沢山、エプロンバッグ、ティッシュペーパー、ヤッケ上下、バイク乗りご用達タイプのカッパ、これらがコンテナに入れてトランク部分に置いてあり

長靴、採集コンテナ3つ、が後部座席の足元に纏めて置いてある。

そして消毒薬、絆創膏、三角巾、ポイズンリムーバー等の医薬品類のボックス。


モロ農家道具一式だな、うん。

これだけあればいいんじゃないかな。

乗せっぱなしでよかった。


あ、ここに伊藤さんのごはんの追加の買い置きがあった。

よかったぁ、パウチもカリカリも2泊分しか持ってきてなかったし。

これらがなくなる前に最低でも伊藤さんのごはんの確保を考えなくては。


そろそろ完全に陽が暮れる。

その前に灯りの確保と晩ごはんの確保だ。


灯りは・・と、家の中を見回す。

当然電気が無いから・・蝋燭?何かランプとかあるのかな。

台所とかロフト?とか探してみようかな。

造り付けの戸棚を探してみるとランタンみたいな形状のモノがあった。

だふんコレが灯り・・全部で6個。

どうやって点けるのかな?まだ暗くなっていない今のうちに灯りを点けないと!!


説明書は読まずに弄りまわして使うタイプだから、このランタンもどきもなんとかなるだろう、との楽観的見方で操作してみた。

結局蓋を開けて真ん中に灯り用の魔石を入れる事に気が付いて事なきを得た。

戸棚の中に説明書があったよ・・使用魔石と一緒に。

やはり確認すりゃよかった・・。


ランタンの置く場所は、台所のシンクの上にひとつ。

収納庫ベッドの傍にひとつ。

ロフト階段の真ん中にひとつ。

トイレ関係にひとつ。

テーブル横の窓の珊にひとつ、とテーブル足元にひとつ。


元の世界みたいな明るい光ではなく、外国の間接照明のようなホンワリとした橙色の灯り。

蛍光灯のペカペカした明るさよりも、なんだか安心する光だねぇ。


晩ごはんは、持ってきたおにぎり残りとタッパーのオカズたち。

足の速いものを先に食べよう。


・・保存できるモノ・・無いかな・・異世界もの小説だと冷蔵庫みたいな魔道具とかあるけど

この世界にも魔道具でそんなのがあるんだろうかねぇ?


足元で伊藤さんがパウチを食べてる。

お水も収納庫から出してあげる。

あ~コーヒー飲みたいなぁ。

あ、そだそだ。

女神象にお供えしなくては・・。


貰ってきた葡萄と蜜柑。

持ってきた収納庫内の買い置きのお菓子の中から、某高級チョコレート。


ぱんぱん!


思わず打つ「柏手」

実家の母のそのまた実家が神道を奉っていたから、どうしても手を合わせると柏手打っちゃうわーやだわー

飲み物もあげなくちゃいけないんだろうけど、収納庫の買い置きの中に何かあったかな?

明日探そ。


ひとりと1匹の晩ごはん。

ここ2カ月と同じ、だけど、おなじゃないふたりの晩ごはん。

橙色の灯りの中、いつもならスマホで小説読みながら流し込む食べ物も

伊藤さんを眺めながらユックリと食べる。


聞こえるのは、いとうさんの咀嚼音とわたしの鳴らす食器の音だけ。


静かだ・・


虫の声しか聞こえない。

窓から見上げる夜空は、星が降りそうな位瞬いている。

元の世界で住んでいた場所は、田舎ではあったが街頭もあるし建物の灯りもあるから

夜空の星も、都会よりは沢山見上げる事はできたが

それ以上の星空だね。


これぞホントの「星降る夜」だ。


・・そして・・月は・・月という天体は・・異世界ラノベご用達だろうか・・2つあった事を心のメモに書き残しておく。



今日は朝から色々あった。


娘夫婦の家に泊まり(おさんどん)に行く為に、沢山のオカズ、食べ物、お土産用意して

リュック、スーツケース、椅子付きショッピングカートに色々と詰め込んで

夜も明けたし、さあ!行きましょか!と玄関開けたら異世界だった訳だ。


女神さまの説明受けて、敷地内?を散歩という名の探索ををしてウロウロと歩き回って。

マジ疲れた。


今現在の時間は分からないけど、・・もう寝よう。

収納庫ベッドの上で既に伊藤さんがフミフミ始めてる。

愛いヤツめ。

家中に置いたランタンは、トイレと階段とベッドのヤツ以外は消して・・いゃ、ベッドの灯りも消そう。

柔らかい灯りをボンヤリ見つつ布団にもぐりこむ。


この世界の季節はいつくらいの気温なんだろう?

朝来た時は少し寒いかな?って感じだった。

夜がきて今の気温は涼しい感じがする。

外気温はわからないけどね。


枕元でゴロゴロと聞こえる。

伊藤さんの音。


異世界の夜、1日目・・おやすみなさい。

良い夢を・・。


________________________


まぶしくて目が覚めた。

ベッドの横にある窓から見える昇りはじめた朝日が眩しいんじゃ!

あれ?まてよ?


思い返してみて、確かコチラ側は「東」で世界樹と畑があった。

眺めた家の側面には窓はなかったような・・?


後で確認しよう。


ベッドを出て外に出てテクテク歩いて井戸まで。

井戸はハウスを出てななめ左側にあった。

ポンプ式井戸ではなくて、桶を投げ入れるタイプの井戸で水を汲み顔を洗う。

朝焼けの中、うっすらと霧がかかり露が草に滴る。


朝焼けってコトは明日雨なんかな?


昇る朝日を拝んで家に戻る。

柏手をうった事は気にしない。


バッグの中にしまってあるスティックコーヒーを取り出し、唯一ある鍋でお湯を沸かす。

魔石使って火をつける。

初台所使用!

ヤカンが欲しいなーフライパンも。

たいして料理はしないけど、大事な調理器具3選だな、うん。

収納庫内にある持ってきた品物をちゃんとリスト化しないとなぁ・・

あーパン食べたいパン。

流石にパンは無かった・・よね?


今日はナニしようかな・・ボンヤリ過ごそうか。


よし、イチゴ食べよう。

ジャムにしようと思っても持って来たけど、イチゴ埋めて芽出しさせて、イチゴ栽培しようかな。


うん。

そうしよう。

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聖女ですか?なんにもしませんけどいいですか? 旅鴉 @matatabi0524

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