深夜

 明日も、仕事に行かなければ いけないのでしょうか。


 そこに、何の意味があるのでしょうか。

 意味など、求めてはいけないのでしょうか。


 働くこと。

 そこに 喜びを求めてはいけませんか。


 それは、義務ですから?


 職種は自分の望んだものですが。

 業務内容は、選べませんから。希望は通らないのが、この世界。


 この塞がれた業界で、私はこれからもやっていけるでしょうか。


 人生は薔薇色だと人が言うのは、幻想に過ぎないということでしょうか。

 あの頃の私はどこへ行ったのでしょう。希望を抱いていた過去。

 

 仕事以外では、薔薇の香りを求めることもかないましょう。

 けれども、

 一日の大半をあの場所で過ごす私の気分は、

 ただ「帰りたい」と願うのは、不健全ではありませんか。



 初々しかった私の甘さ。

 ほろ苦さを知った今の私と、

 併せたら、もっと うまみが出せないだろうか。

 重ねたら、楽園への道が開かれないだろうか。


 

 Tirami su!



 私を明日へ。

 できることなら、薔薇色の明日へ。









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ティラミス【カクヨムコン10 短編創作フェス⑤「薔薇色」】 結音(Yuine) @midsummer-violet

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