第1話転生

ここはどこだ?、、、

何も見えない、おそらく、全てが透明な世界はこのような景色なのだろう。

ひとまず、何でこんなとこに来たのか記憶を整理しよう。

俺の名前は、、、思い出せない。

通っていた小学校や中学校、そもそも俺が大人か学生かすらも判断がつかない。


「洗濯機の故障、、、これから魂を集め直しですか。」

「デカっ」


おっと、思わず叫んでしまった。なにせ30メーターはあった巨漢が急に現れたんだ、許して欲しい。


「貴方は誰ですか?」

「、、、」

「貴方は誰ですか!」

「、、、」


耳が遠いのだろうか


「あぁ、すみません考え事をしていまして、貴方を探していたんですよ」

「貴方は誰ですか?」

「貴方達で言う、天使みたいなものですね」


俺は死んでいたのか

いや、覚悟してなかったというのは嘘になる。

こんな状況で何も思い出せないわけだし、記憶がないからそもそもあまりショックではない。

ただ今の記憶がない俺として歩む人生がないことに少し悲しみを覚える。


「俺ってどんな人生を歩んできたとか分かります

?」

「その質問には答えれませんね、せっかく洗った服をもう一度洗うような真似はしたく有りません。」


さっき言っていた洗濯機とやらだろうか。洗濯機に入れられたときの気分はあまり想像したくないな。


「何か勘違いしているようなので言いますけど、貴方はそのまま輪廻を回るわけでは有りません」

「えっ」


さっき想像していたように、俺は人生を歩むことが出来るのか


「どうしてですか?前の俺が徳を積んだとか」

「例え悪で世界が滅んだところで、また新しい世界を作るだけです。徳なんて、ほとんど関係ないですよ。」

「じゃあ、どうして」

「地球には、ほとんど無かったランク制度というのが問題でして、」

「ランク制度?」

「SSランクのものでは輪廻の洗濯機が作動せず、壊れてしまうんですよ」

「対策とかしてないんですか?」

「そりゃSSがよく出る世界ではちゃんと対策してますよ?ですが地球からSSがでたのがこれが初めてでして、ちょっと忙しいんですよね」


けど俺、そんな恩恵を感じたことはなかったぞ?


「ランクって日常生活に影響はありますか?」

「地球ではあまり有りませんね、ただ次の世界は違います。」

「どんなふうに?」

「まずステータスに高レベルの最低保証が付きます。更に成長限界が消えます。これが共通項目

この2つだけでSランクの効果を越えています。」

「共通項目?」

「他に固有能力が付きます。」


俺って地球では無双してたのか?知力とかそっちの方だけでも地球では有利になるはずだ


「地球ではSSの恩恵は有りませんよ、このランクは魔力に関する体質みたいなものです。地球では意味をなしません。

だから地球では出づらかったりします」

「、、、心が読めたのか」

「今更ですね。」


まぁ上位存在ならあり得ない話でもないか


「さてと、お喋りはこれぐらいにしましょう。今から貴方をカルサバ王国に転生させます。

地球に比べればSSが多いところです苦労しないでしょう。」

「待った、最後に固有能力だけ教えてくれ」

「下手に知ると後悔しますよ?大丈夫です、5歳になれば自ずと固有能力を理解する機会が訪れます。」

「それなら、すまない続けてくれ」

「と言ってももうすることは有りません、そこからあと1時間ほど待機すれば、自動的に転生は行われます」


1時間、新しい生を貰うなら短いか


「では、私は散らばった魂を回収するので、

貴方の人生に幸あらんことを。」


1時間後少しの浮遊感とともに、気付くと生を受けていた

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王国の黄金期 クワトロフォルマッチ @oukadesuyo

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