アルバイト前の30分

冬の訪れに、思い出す六月の春。眠りうつつのまなこに映る立冬の風、轟轟燃える秋の炎よ。


ポツポツと止まらぬバルブを握りしめ、こうして二人凍って死んでしまえたら。


楽を追い。その先何も無きを知る。泣き濡れている僕を見る。また諦めて今日も眠る。


ポツパリ、水溜りに張った氷を踏みつけ歩く。一度転べば笑われて、二度と転べば無視される。僕はいつも3度転んで置いていかれる。


死んでしまえと思う。ブスを死刑にし、美人だけ生かす。そうすれば街には美人ばかりになり自然とみんな不幸になる。美人が日常になる恐ろしさ。


性格の悪い人、みんなプレスされて一つの生き物になればどんな化け物になるのか。


寒い、寒い。と手を擦る。繋がれる事もなくただ一人後悔を引きずり歩く。そのまま冷たく、あの梢の幹に首を括る。一緒に眠る人もなく、ただ一人きりいつまでも。


誰かを殺してその死体と一緒に暮らしたい。自分も死ぬ段にならないとそんな凶行走れない。誰かこの危険な僕と死んでくれ。


人を不幸にして何の謝罪もしない事を謝罪します。


今日も寿命をお金に変える。あといくつあるか知らないのにすり減らす。やりたくないことを疑問符ばかり浮かべて、その疑問符の重みに耐えられずやがて死ぬ。


海に行きたい。金髪の美人とキスをして殴りつけて岩肌に叩きつけその鮮血が迸る様を。世界の彩りが消える様を。


認められたい意識に溺れて息ができなくなっている。その意識は高尚な物ではなくただセックスがしたい薄汚い物だともう知っている。


もう誰もいない。僕の前から消えて、一部が欠けてその欠けが広がって、埋まる事無く苦しんでいる。


死にたくないから死にたいって言っている僕。死にたいなら音もなく死ぬ。吐き出してるだけ、安心を求めてるだけ。


駅前の風景も思い出せなくなってもう形のない寂しさだけが残っている。後ろから声をかけてくれたあの子の手の温もりはまだ肩に残っている。あんなに、こんなに、ずっと好きなのに。好きと言えないでいる。きっともう、彼氏もいるだろうし、この後悔は一生消えない、もう何もせずに、考えられなくなってしまいたい。


こんな悩みに悩まされ、悩んだフリをして自分に酔っているだけ。酔わないとホント動けない。死んでしまう。クソボケ。


心に砂利を敷き詰めて音を鳴らして歩く。服を着た枯山水Jr.


パーティの後、アザだらけの膝小僧を見る。そのアザがミッキーマウスならなんか嬉しい。隠れミッキー。


トイレットペーパーの芯と間違えて竹輪でケツを拭く。そのまま食べられてお得。どうやら草食系男子だったらしい。


生きたくないと嘆く僕はきっとただのカマキリだ。


割った氷の音がぶにゅんって音ならその肉感に勃起出来るかもしれん。


あの小枝を折る。やがて折ってもないのに音がした。心の折れる音でした。


バーカ。性欲で押し流せる悩みなんて悩みじゃねえよ。


ただ悲しい。寝ろ、そうすれば何とかなる。


終わり。もういかなきゃいけないし。後五分しか無いし。また書くよじゃあな、寿命を売りに行く。

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2025年1月10日 13:00
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【詩・小説集】うさぎ ご飯のにこごり @konitiiha0

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