❄️4🎅
「何ソレ」
朝の支度を終えたらしいアキオが、テーブル前でタブレットの画面と求人チラシを交互に眺める僕に顔をしかめる。
「バイト、しよっかなって」
「バイトぉ?」
「アキオが自分の貯金切り崩さなくてもいいように」
そう言うと、アキオが「何でバレた?!」って顔で目を丸くした。そりゃ一年もいたら普通に気づくってば。
「サンタの仕事増えるし、これから稼ぐから無理すんなよ。今までの分、ユキはカラダ休ませないと」
「もう十分休んだって。それにさ……」
「それに?」
「ううん。それより仕事! 遅刻するよ」
「うぉっ、やっべ!」
ドタドタ足音を立てて玄関に向かうアキオの後をついていく。
今の僕達の距離は、大体つま先20センチぐらい。
でもいつか、もっと近づけるかな。
「いってらっしゃい」
「おうよ」
10センチ、5センチ。
そしていつか、つま先とつま先がくっつくぐらいに。
僕と君との30センチ トヨタ理 @toyo_osm12
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