第六話 巨大獣バビゴン シャールケンの嘲笑

第六話 巨大獣バビゴン シャールケンの嘲笑 1

「おのれおのれ! ガッダイン! 必ず倒してやる!」


 バルガル将軍は残ってたグローン円盤を回収し、機動要塞ドグローンで大気圏上空に撤退した。


「臨時ニュースをお伝えしました」


 どうやらテレビはガッダイン5対巨大獣の対決を中継し、視聴率は水曜ダイナミック史上最高視聴率を確保したようだ。


「あーあ、終わっちゃった。面白かったのに」


 あの、マーヤちゃん。キミ今ただのテレビっ子だよね。

 テレビ中継ではガッダイン5の話になっており、ツチノコの番組の続きはどうやらお倉入りになってしまったようだ。


 マーヤちゃん、これ見ておいた方がいいよ。

 一応はガッダイン5はキミ達の敵でどんな強さか把握しておいた方がいいから。

 まあ俺はガッダイン5大百科で大抵の事はほとんど知っているんだけどね。


 夜が深くなった時、俺の部屋を開ける音が聞こえた。


「ブキミーダ様ー。わたくしご飯用意しましたの、一緒に食べましょう」


 げっ、ミザーリンだ。

 彼女は俺が地球人好みの料理が好きだと誰かから聞いたらしく、手料理を用意して現れた。

 そしてまたマーヤちゃんがふくれっ面になっている。

 最近もうこのスタイルにもなれてしまった自分が怖い。


「あら、諜報官ってお仕事はお暇なんですね。こんな所に来てご飯食べる暇があるんですから」

「あらあら、メイドロイドってご主人様の為に働くものじゃないの? そんなとこでボーっとしていて良いのかしら?」


 あーもー、キミ達女の戦い始めないでー。

 これはちょっとここから原因になっている俺が抜けた方が良さそうだ。


「俺ちょっと辺りの様子見てくるから」


 オレは女の戦いを始めようとしている二人を置いたまま、ドグローンの発着口に向かった。


 さて、次の巨大獣の準備をしておかないと。


 いつものガッダイン5大百科によると……。

 ――第六話は、バルガル、ミザーリン、ブキミーダが三人とも地球侵略作戦失敗した事でついにシャールケン提督がブチ切れた。


 そして彼は龍也達の通う高校に転校生『有砂ありすな健悟けんご』として潜入する。

 そして龍也とサッカー対決、圧倒的な実力差を見せつけた健悟は龍也をサッカー対決の中でボロボロにし、千草にプロポーズをする。

 流石に千草へのプロポーズに怒った玄太郎、そして流までもが健悟に返り討ちにあい、彼は噂のガッダインチームはこんなものかと笑い飛ばす。


 その頃北原未来要塞ベース近くの漁村に巨大獣バビゴンが出現し、ガッダインチームは大半がボロボロの姿でどうにか出撃する。

 バビゴンの上に乗った健悟はその正体を現し、ガッダインチーム恐れるに足らずと笑い彼等を圧倒するが、代々木博士に届けてもらった新武器、ビッグミサイルの力でバビゴンは吹っ飛ぶ。


 そしてシャールケンはグローン円盤に乗りその場から離れ、バビゴンはマグネティックランサーで切り裂かれた後超電磁プロペラ乱れ撃ちで装甲を剥がされてから超電磁スマッシュで爆発。

 シャールケンはパイロットは大した事無いが、あのロボットの力は脅威だな! と不敵な笑いを浮かべながらドグローンで夕日の中に去っていく。


 といった話だ。


 ツッコミどころとしては、シャールケンだから変装した時の偽名が有砂健悟ってのはちょっと安直だろうという事と、どうやって学校の中の書類を改ざんしたんだ? といったところだ。


 まあ書類偽造はミザーリンがスパイとして地球に潜入して書類差し替えや書き換えを行ったのだろうが、今のポンコツ二号と化している彼女にそこまでできるのだろうか?


 まあ下手に考えても仕方ない。

 あー、部屋に戻ったらあの二人がケンカしてるんだろうなー。

 俺は重い足取りで部屋に戻った。


 すると、二人はテレビの水曜映画劇場で放映していた海外の名作ラブロマンス映画『白い家』を、涙を流しながら見ていた。 

 何じゃそりゃ。

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