第五話 巨大獣アビンゴ 謎の怪物を追え 7
「へん、偉そうに! てめー何モンだよ! このダバール星人めっ」
「無礼者、物事には口の利き方というものがあるのだ! 吾輩は、ダバール星人一の猛者、ジャン・バルガル将軍である!」
「へっ、バルガルかタルタルか知らないけど、オレ達の敵じゃないぜ!」
龍也のこの煽りにバルガル将軍が怒った。
バルガル将軍沸点低すぎませんか?
「おのれ、吾輩を愚弄しおって、このバルガルを怒らせた事、後悔するがよい! 行け、巨大獣アビンゴよ!」
「「ギャゲゲゲゲェエエエエッ!」」
巨大獣アビンゴの腕の二つの蛇の顔が同時に吠えた。
「キャアアアッ! 蛇ッ! 蛇ぃいいいっ!」
普段大人しい千草が大きな金切り声を上げた。
そういえばガッダイン5大百科で千草の嫌いなものが蛇や爬虫類ってのがあったな。
このアビンゴは巨大な蛇の形なので彼女の大嫌いな蛇そのものだと言える。
本編のこの話でも千草はツチノコが蛇とは知らず、大学教授の説明でイラストが出た時にヘビーッ! と普段の可愛いヒロインとは思えないような面白い顔で混乱していた。
その彼女がどうやって本編でアビンゴと戦ったか。
それは目を布で縛って見えなくする事で蛇の見た目への恐怖を克服していたのだ。
「千草っ。見るな。見るんじゃない!」
「そ、そんな事言ってもっ、蛇ッへビィイイッ!」
「千草、眼をつむるんだ。大丈夫、俺達がサポートする。龍也、合体するぞっ」
「こちらは準備万全ですたいっ!」
流が説得した事で千草はどうにか冷静になれたようだ。
そしていつものシーンが始まった。
「「「「「レッツ! ガッダイィーン‼」」」」」
どうやら千草はかなりの戦闘訓練をみどりさんから受けていたみたいで、蛇の事さえなければ合体にはそれほど支障はなかったようだ。
「いくぞっ!」
「フン、巨大獣アビンゴよ! ガッダインめを血祭りにあげてやれ!」
「キシャァアアアアッ!」
アビンゴの手の口から火炎が吐かれた。
「キャアアッッ!」
「千草っ! 大丈夫かっ! クソッ! マグネティックアローを喰らえっ!」
ズガガガガッ!
マグネティックアローは合体前でも使える武器だが、合体後に使うとエネルギーの使い方が分離している時よりも使えるので威力は倍以上だ。
小型の磁石を巨大獣にくっつけ、その磁石目掛けて磁力でくっつく矢を高速で放つ!
この攻撃でアビンゴの蛇腹がいくつか剥がされ、移動が難しい状態になった。
どうやら今回の話は、元々流がメインに来るように作ろうとしていたのだろう。
だからこのバトルは彼の見せ場が多い。
鱗や蛇腹を剥がされたアビンゴは両手の蛇頭を伸ばし、ガッダイン5の身体を絡め付け、締め付けだした。
「ウワアアアアッ!」
「ぐうおおおおっこれは鯖折りたいっ! このまま締め付けられたら、バラバラになってしまうたいっ」
「バラバラに……! それです。皆さん、一度合体を解きましょう!」
天才少年竹千代の指示で全員が分離し、アビンゴの締め付けから逃れた。
そして再び離れた場所で合体したガッダイン5は再びアビンゴと戦った。
「みんな、新武器超電磁ワイヤーを使ってみるんだ!」
「代々木博士っ! よし、これだな。――超電磁……ワイヤー!」
ガッダイン5が両手を合わせ、手首をひっくり返した。
すると、巨大獣アビンゴの射程外からガッダイン5のクロー付きワイヤーが伸び、アビンゴの蛇の手を叩き潰した。
「何だと!?」
バルガル将軍が驚いている。
その直後、両腕の蛇頭を失ったアビンゴ目指し、ガッダイン5のキックが炸裂した。
「よーし、その身体をバラバラにしてやる! マグネティックランサー!」
小型のSランサーとNランサーがガッダイン5の両太腿から飛び出し、巨大な槍になった。
「喰らえッ!」
マグネティックランサーはアビンゴの頭部と腕を斬り刻み、足と胴体だけの残ったアビンゴがそこにはいた。もう勝負は決まったな。
「行くぞ! 超電磁ウェエエイブッ!」
超電磁ウェーブが巨大獣アビンゴを捕らえ、動けなくする!
「超電磁! スマァーアアアアシュゥ!」
超高速回転のガッダイン5がアビンゴを真っ二つに切り裂き、アビンゴは空中で大爆発を起こした。
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