第三話 巨大獣ガガビビ なぜだ! 合体不能 3
「どうしたどうした、お前達。一体何があったんだ?」
「おお、バルガル将軍殿、貴方こそ一体なぜここに?」
「いや、恥ずかしい話だが、シャールケン様に罰として便所掃除をさせられていたのだ」
――だめだ、笑ってはいけない。
マーヤちゃんは今回、笑うどころではないので問題無いが、バルガル将軍は割烹着で便所ブラシを持っていた。
昔の子供向けロボアニメあるあるだ。
実際の軍隊ではありえないような罰当番。
実際の軍で将軍クラスが罰で便所掃除をさせられるなんて話、古今東西でも聞いた事無い。
だが昔のロボアニメ等では、バルガルのような将軍クラスでも平気でギャグやいじられキャラ化する事がある。
だからただの残虐なはずのダンボット3のギーラ・ガーン総指揮官がギャグキャラ化することもあった。
ギーラ・ガーンは似合わない服をさぞ似合うように服を着てうっとりするシーンや、ビリヤードをしたり、ゴルフをしたりするシーンがあった。
だがそのビリヤードはカプセルに入れられた人間ビリヤードだったり、ゴルフは人間を入れたカプセルを数メートルの巨体のギーラ・ガーンが吹っ飛ばすのでギャグでもあれども残虐。
流石は浜野監督というべきか。
なお、このギーラ・ガーン、ロボアニメ不人気悪役ワースト5に入るキャラだった。
残りの一人はガンボーグZEROの戦争屋バージェス。
つまり、ロボアニメワースト5は……。
ガンボーグZERO――戦争屋バージェス――
無敵巨人ダンボット3――ギーラ・ガーン総指揮官――
侍戦士竜牙――バワード長官――
装甲鉄機メタルズ――クワン・ユゥー大尉――
そして、超電磁メカ・ガッダイン5-―ブキミーダ参謀長(俺)――
という事になる。
まあそれはさておき、バルガル将軍はどうやら今回は俺の味方らしい。
「うーむ、どうも話を聞く限りではどう考えてもミザーリン殿が悪いと思うぞ」
「何よ、アンタ最近何かおかしいんじゃないの? なぜこんなクズを庇うのよっ」
「うむ、それが最近どうも、吾輩はブキミーダ殿がそれほどの悪いやつには感じんのだがな」
まあそりゃそうだろう。
中身が本物のブキミーダではなく、一応は社会常識を持った一般人の日本人のロボットエンジニアだった俺なんだから。
「何なのよ、アンタまでこのクズの肩を持つの? コイツなんて隙あらばわたくしにセクハラをしようとするクズなのよ!」
だからそれは前のブキミーダであって、アンタは俺の趣味でも何でもないんだっての。
むしろ俺はマーヤちゃんや千草の方がよほどタイプだって。
「まあまあここは穏便に、今度それをしたら首をはねるなり拷問するなりすれば良いではないか。チャンスを与えるのも上官の器だぞ」
あの、バルガル将軍……貴方、優しい事言ってるようで相当物騒な事言ってるの気が付いてますか??
「まあいいわ、それなら腕と態度で見せてみなさいよ。ブキミーダ、すぐにこの子を整備して、明日には地球に出撃できるようにするのよ!」
「はい、承知致しました」
「うむ、ブキミーダ殿よ、失った信頼を取り戻すのは大変だ、だがそれを続ければ必ずいつかは相手もわかってくれるだろう。それでは吾輩はまだ便所掃除の続きがあるのでな、さらばだっ」
バルガル将軍って本当に上司としては理想の上司かも知れないな。
それに比べてミザーリンのあの性格の悪さ、アレは間違いなく男を食い物にするタイプだ。
俺はあんなのに惚れるわけないけどな。
さて、そろそろロボ整備の続きをしないと、明日までには巨大獣ガガビビが完成しない。
それじゃあ続きをやるか。
「マーヤ、手伝ってくれるか? 俺にはお前が必要なんだ」
「ハイッご主人様! すぐに取り掛かりましょう」
俺がマーヤちゃんにお前が必要と言うと、彼女はニコニコした良い笑顔に戻った。
さあ、明日までに作業を完了させよう。
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