第三話 巨大獣ガガビビ なぜだ! 合体不能

第三話 巨大獣ガガビビ なぜだ! 合体不能 1

 俺の用意したスパイドローンは北原未来要塞ベースに簡単に侵入する事が出来た。

 俺の読んでいたガッダイン5大百科には北原未来要塞ベース(マグネコンドル)の見取り図や、内部メカニック紹介まで全部描かれていたので、どこに警備の穴があるかも全部把握済みだ。


 調理室のおばちゃん、おタケさんのいる部屋。

 ここの窓がいつも空きっぱなしで、マグネコンドル浮上の際におばちゃんが外に飛ばされそうになって必死で窓を閉めるエピソードが後半にある。

 この窓は北原未来要塞ベースにおける警備の穴とも言える場所だ。


 俺はここからスパイドローンを侵入させた。

 このスパイドローンの大きさはカブトムシよりも少し大きいくらいだ。


 おばちゃんの部屋から潜入したスパイドローンは北原未来要塞ベースの指令室に到着した。

 指令室の会話が聞こえる、どうやらガッダインチームが全員いるようだ。


「オレのせいで……みどりさんが……ダバール星人に」

「いいえっ。アナタのせいじゃないわっ……お母さんは、わたし達を守る為にダバール星人に捕まったのよっ」

「だがあの敵の将軍らしい男が言うには、人質にはまだ手出しをしていないとの言い方でした。ぼくが思うにあの将軍の言い方、性格から考えて嘘は無いと思います」

「へッ、あんな侵略者共が素直に約束を守るタマかよ。どうせ今頃拷問や自白させられているに違いないぜ」


 それを聞いた千草が泣きそうな顔になっていた。


「流! てめえ何言ってんだ! 千草さんの気持ちを考えろ!」

「本当でごわす。おなごには優しくするもんだとカーちゃんも言ってたでごわす」

「フン、そもそも誰のせいでこうなったと思ってんだ、オマエがだらしないからガッダイン5になれなかったのがそもそもの原因だろうが!」


 ……うーむ、どうやら何だか不穏な空気だ。

 第三話の冒頭がこんな感じのスタートだった。


 どうやら本来の第二話の墓参りの後の龍也と流の大ゲンカはこの話に持ち越されたらしい。


「てめえ! 許さねぇ! 決闘だ!」

「オウ、おれはテメェが気に食わなかったんだよっ。望むところだ!」

「決闘は今日の12時! 場所は岬の所だ!」

「へッ、尻尾を丸めて逃げ出すんじゃねえぞっ!」

「二人共、ケンカは止めてっ。わたしのせいでっ、こんなっ……こんなっ……」


 どうやらこの話の展開、龍也と流が決闘をするらしい。


 とりあえず本来の第三話を思い出してみよう。


 墓参りの後、夜一人母親の墓前で泣いていた千草をやるせない気持ちで見ていた龍也。

 そんな龍也に――お前があの子の母親を殺したんだ――と挑発する流。

 そして二人は夜の墓場で殴り合いのケンカをする。

 それを、涙を流す千草に止められてそこで二話が終了。


 三話になり冒頭でケンカのシーンからスタート。

 だが決着はつかず、玄太郎と竹千代までもが登場して、龍也と流の二人を引き離そうとする。

 納得のいかない二人は次の日、正午に岬で二人決闘をする。

 お互いがボコボコになり、動けなくなっていた所に、巨大獣ガガビビ出現を代々木博士に伝えられ、龍也と流は満身創痍のまま全員出撃。


 だが気持ちがバラバラのままでは今まで合体できていたガッダイン5になれず、バラバラのマシンで戦う事になり、ダインボンバーが整備不良で不時着。

 ガガビビの攻撃を受けそうになった流を龍也が助ける。

 お互いがこの戦いが終わったらもう一度決闘の決着をつけるといって意気投合、そこでようやくガッダイン5に合体し、ガガビビを撃破。


 ダバール星人を追い払った後、再び龍也と流は浜辺で決闘をし、お互い決着がつかずに砂浜の上で二人寝転がる。

 そして、お互いがボコボコの顔を見ながら笑いあうところで第三話終了。


 うん、男の友情だなー。


 さあ、こちらはガガビビの整備をしないと、ミザーリンに怒られてしまう。

 早くロボの整備に向かうか。

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