第二話 巨大獣ゲスラー 母の悲劇! 7
「どうした!? ガッダインは怖気づいたのか!」
バルガル将軍の怒声が聞こえる。
コレって本来第三話の演出のはずだったんだけどな……。
どうやら怒りや激しい感情の原因になるはずの北原みどり博士の死という演出が消えてしまったらしいので、ダバール星人への怒りが足りないようだ。
このままではガッダイン5に合体出来ない!
そしてバルガル将軍は最初の上機嫌からだんだん不機嫌に変わっていっている。
「臆病者! 男なら正々堂々とかかってこい!」
「何が正々堂々よっ! お母さんを返してよっ」
「お母さんだと……? 貴様、みどりさんの娘なのかっ!」
ありゃありゃ、何だか展開がどんどんおかしくなっていってる。
このままでは一体どうなる事やら……。
「お母さんはっ! お母さんは無事なのっ!?」
「安心しろ、人質には一切手は出していない。武人の誇りにかけてそれは約束する!」
「へっ! 地球に勝手に来て侵略してくるやつらのどこが正々堂々だの武人だのと言うんだ、へそで茶が湧くぜ!」
青木流がダインボンバーで攻撃を仕掛けてきた。
「喰らえや、マグネティックアロー!」
マグネティックアローはガッダイン5合体後も使える武器で、敵に磁石を投げつけ、その磁石目指して矢を放つ百発百中の武器だ。
マグネティックアローがゲスラーに当たった。
だがかすり傷といったところだ。
ガッダインチームはまだ合体できていない。
「龍也、お願いっ。心を一つにしてっ」
「そんな事言ってもよぉ。オレ、どうすればいいんだよっ」
「龍也、目の前を見てっ。そこに血で染まった縫いぐるみがあるわっ」
どうやら千草は龍也の怒りの感情を引き出そうとしているようだ。
紅井龍也の前には血まみれのクマの縫いぐるみがあった。
どうやら逃げ遅れた子供の物らしい。
「あなたが戦わないとそんな子がどんどん増えるのよっ。お願いっ力を貸してっ」
「クッソォオオオッ! ダバール星人めぇええー!」
龍也の怒りが頂点に達し、ついに五人の脳波が一致した!
「行くぞっ! みんな、待たせて悪かったな!」
「まったくだぜ」
「龍也さん、ぼくは準備できています」
「オイも準備完了でごわす!!」
「それじゃあいくわよっ」
「「「「「レッツ! ガッダインッ‼‼」」」」」
そして合体シーン、もうここはバンクシーンだろうから説明は省く。
「ガッダイィーン……ゴォオオー!!」
「何だと! さっきの蚊トンボ共がガッダインだったというのか!?」
バルガル将軍はガッダイン5を見て驚いていた。
「ええーい、ゲスラー! やれ、打ち砕いてしまえッ!」
「ギョギャゲゲエエェエエッ!」
ゲスラーのドリルがガッダイン5の機体をかすった。
「へっ、ドリルならこっちにもあるんだ! ドリルキィーック!」
何とガッダイン5の爪先のダインビークルのドリル部分がそのまま飛び出して武器になった。
その蹴りはゲスラーの翼を蹴破り、飛べなくなったゲスラーは地面に落下した。
「今よっ。龍也!」
「わかった、超……電磁ウェエエイイブ!」
「な、何だと!?」
ガッダイン5から発射された超電磁の波がゲスラーの身体を絡め取り、麻痺させた。
「超……電磁、スマァアアッシュッ!」
出た、超電磁スマッシュだ。
コマのように全身を高速回転させたガッダイン5は巨大獣ゲスラ―を横真っ二つに切り裂き、地面に着地した。
空中で巨大獣ゲスラ―が大爆発を起こす!
どうやらドリルはガッダイン5相手には何の役にも立たなかったらしい……。
「お、おのれぇええ! 覚えているがいいっ!」
まあ仕方ないだろう。
バルガル将軍は移動要塞ドグローンで地球を離れ、デラヤ・ヴァイデスに帰還した。
そして戦いが終わり、第二話が終了した。
本来ならこの後のシーンで千草の墓参りと、龍也と流のケンカシーンが入るのだが、これが無いのでどうなっているのやら……。
俺はスパイドローンカメラを北原未来要塞ベースに潜入させ、様子を見る事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます