貧弱な俺
貧弱な俺
一月後。俺は自室のソファーに座り頭を抱えていた。
「なんてこった! 全然体力がないじゃないか!!」
5歳児ってさ、もっと走ったり飛んだりして元気一杯だったと思う。だけど、俺の体すぐに疲れるんですけど!
「この体、やばすぎんだろ!」
しかし、キレてばかりもいられない。そこで、俺は二週間かけて、俺のスケジュールと食事内容を調べることにした。
「これで、少なくともひ弱になった体の原因がわかるはず!」
意気込んで調べ始めて二週間後。俺はまた、自室のソファーで頭を抱えていた。
「魔法の訓練多すぎんだろ! 後、飯もっと食えよ!!」
訓練の内容は魔法:戦闘技術:戦闘訓練:筋トレ=8:2:0:0の結果だった。
「もっと体動かせよ! てか、スキルの訓練VRでできるってどんな仕様だよ!!」
この世界、すごく便利なんだ。魔法の訓練は魔法室なんて部屋で魔法を放つだけなんだ。魔法を放つと適切な魔力の動かし方から、変換、魔力の質の高め方と全部オートでやってくれるんだ。もっと努力とか根性とかねえのかよ!
スキルの訓練も同じだ。VRヘッドセットを身につけて、仮想空間の中に入る。そこで、スキルをただ放つだけでスキルの威力が上がり、質が高くなる。しかも、十連度まで稼げて、新しいスキルまで得られるんだ。ここでも、努力や根性なんてものはない。
「もっと、気合い入れ! とかねえのかよ!!」
だめだ。このままじゃ、破滅ルートまっしぐらだ。破滅した後でさえ生き残れない。
「こうなったら、訓練メニューを見直してやる。」
ライティングデスクの前に座り、紙とペンを取り出す。そして、訓練メニューを埋めていく。
一時間ほどして、俺龍訓練メニューが完成した。ついでに食事メニューも作り直した。
「これでよし。やってみるか。」
翌日。早速、筋トレルームにやってきた、俺は使い慣れたランニングマシーンに乗る。5歳児程度のレベルに合わせて走りはずめる。すると、半球状に風景が現れた。しかも、走ると風景も一緒に動く。
「こりゃあ、いいな!」
走り始めてすぐ、俺の体は息苦しさを感じだした。
「まだ、走り始めたばっかだろ?」
道端には俺が走った距離を示す200メートルの看板が見えていた。
さらに走る。だが、500メートルの看板が過ぎ去った頃、俺はランニングマシーンから転げ落ちた。
「はぁ、はぁ、なん、だよ。はぁ、はぁ。こんなに、弱、いの、かよ!」
この後、俺はベッドに運ばれた。そして、目が覚めると朝だった。全身筋肉痛で体が動かない。
「ここまで酷いとは。」
筋肉痛が治るのに二日かかった。
俺は訓練内容をさらに見直し、赤ちゃんがする運動からやり直すことにした。
「ぜってー、生き残ってやるからな!」
俺はハイハイしながら自分の心に気合いを入れ直した。
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